『スプリット』主演ジェームズ・マカヴォイが語る、シャマラン監督の才能
「“ハゲ頭”シリーズとしても代表作になった(笑)」
ーーあなたにとってもこの作品は新たな代表作になったのでは?
マカヴォイ:そうだね。僕自身もこの作品をとても誇りに思っているよ。とても少ない予算で作られた作品だけど、いわゆる超大作と競ったほどの成功を収めた。2億ドルぐらいの予算をかけ、宣伝にも莫大な資金を投入するような作品もある中で、そういった大作とは違うスケールでこのような結果を残せたことは本当に作品そのものの力だと思う。しかも、M・ナイト・シャマランというひとりの男の頭の中からできあがった完全なオリジナルストーリーだからね。何年も昔からある王道の物語、コミックやゲームが基になっているもの、続編やリメイク……とにかく今の映画は既存のものからアイディアから始まっているものばかりで、オリジナルが少ないよね。それはそれで面白いものもあるけれど、この作品はとにかくオリジナルで、しかも奇妙で愉快で怖い。スリラーなんだけど心理的な要素もある。そういった要素をすべて備えていながら、娯楽性もある、非常に優れた作品だと思う。『X-MEN』のチャールズ・チャールズ・エグゼビア役に続いてハゲ頭のキャラクターを演じたから、“ハゲ頭”シリーズとしても代表作になったね(笑)。
ーー(笑)。それこそ『X-MEN』のような超大作からアート系の作品まで幅広い活躍を見せていますが、役者としての今後のビジョンはありますか?
マカヴォイ:今回の役柄もそうだけど、僕は感情的にも心理的にも何かトラウマや葛藤を抱えている役柄に惹かれるところがあって、過去4〜5年は主にそういった役柄を演じてきたという事実はある。だけど、今後具体的にどうしていきたいかということは特に考えていないんだ。演じる役柄に関しても、脚本が優れていて面白い役柄であれば何でもやりたいと思っている。役者の中には、自分のキャリアを常にコントロールして、次第にプロデュース業や監督業に進出する人もいるけれど、僕は吹かれる風に乗って、明日は何が起きるかわからないという状態でいるほうがワクワクするし、先がわからないほうがクールだと思うよ。
(取材・文=宮川翔)
■公開情報
『スプリット』
全国公開中
監督・製作・脚本:M・ナイト・シャマラン
製作:ジェイソン・ブラムほか
出演:ジェームズ・マカヴォイ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ベティ・バックリー、ジェシカ・スーラ、ヘイリー・ルー・リチャードソンほか
配給:東宝東和
2017年/アメリカ/英語/117分/原題:SPLIT/字幕翻訳:風間綾平
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公式サイト:http://split-movie.jp/