山田涼介、松岡昌宏、藤井流星……ジャニーズ秋ドラマ、それぞれの新境地

シュールすぎる松岡昌宏のミタゾノ

 新境地という意味では、松岡昌宏の『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)が群を抜いている。松嶋菜々子が無表情の不気味な家政婦を演じて大ヒットしたドラマ『家政婦のミタ』(2011年/日本テレビ)を、本家『家政婦は見た!』シリーズを手掛けてきたテレビ朝日がさらにパロディ化した本作で、松岡昌宏はなぜか女装している家政夫のミタゾノを怪演している。インパクトのある長身の女装姿、無駄のない完璧な家事テクニック、そして依頼人の秘密を詮索せずにはいられないという狂気じみたキャラ設定は、突っ込みどころ満載でSNSでも大きな話題だ。

 28日に放送された第二話では、なんといってもミタゾノの疾走シーンが強烈だった。スカートをたくし上げ、人間離れした猛烈なスピードでダッシュし、ゆうに背丈ほどもある柵を軽々と飛び越えてストーカーを追い詰める様は、もはや怪物である。TOKIOは『ザ!鉄腕!DASH!!』でのワイルドな活動を通じて、女性ファンのみならず、おもしろいネタが大好きなネット民にも絶大な人気を博しているが、本作で松岡人気はさらに加速することだろう。

 いまやTOKIOは“なにをやってもおもしろい人たち”として、全世代的な人気を確実なものにしている。ドラマにおいても、今作のような誰も見たことのない作品を次々と生み出してほしいものだ。

 今期ドラマでは、ジャニーズメンバーの活動はいつもより少し控えめに感じるが、見どころのある作品が揃っており、どれもがいわゆる“イケメンドラマ”ではないところに、ジャニーズファン以外でも楽しめる間口の広さがある。まだ追いつける段階なので、気になる作品があったらぜひチェックしてほしい。

(文=松下博夫)

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