『スター・トレック BEYOND』ジャスティン・リン監督インタビュー

『スター・トレック BEYOND』ジャスティン・リン監督が語る、人気シリーズの重圧と新たな挑戦

「アントンは映画づくりのあるべき姿を教えてくれた」

 

ーーあなたの作品はアクションシーンが非常に特徴的で、今回もそこがひとつの大きな見どころだと感じました。

リン:インディペンデント映画をやっていた頃から、僕のアプローチはいつも同じなんだ。アクションシーンはキャラクターから始まるものだと思っている。だから、登場するシーンの長さに関わらず、すべてのキャラクターを大事にしたいと思っているし、アクションシーンもキャラクターありきで考えている。自分ではあまり“アクション”の監督だとは思っていないんだ。アクションシーンを楽しんでもらえるのはとてもありがたいことだけど、僕としては映画をデザインする上で、キャラクターに重きを置いているので、そこにも注目をして観てほしいね。

ーー最後に、撮影後に急逝し、この作品が遺作になってしまったアントン・イェルチンについて、思いを聞かせてもらえますか。

リン:アントンのことを聞かれると、今でもまだ感情的になってしまうんだ……。僕は今回新しく参加した立場だったわけだけど、アントンとは最初に会った時から強いつながりを感じていた。ハリウッドにいると、名声に足をすくわれたり、自分を見失ってしまうこともよくあって、“映画を作っている”こと自体を忘れがちになってしまう。けど、アントンはたとえどんなに規模や予算が大きくても、全力で最高の映画を作るという気持ちを常に持ちながら撮影に臨んでいた。自らのアイデアも幾度となく提案してくれたし、熱いエネルギーを現場に持ち込んでくれていたんだ。彼は映画づくりのあるべき姿を教えてくれたよ。ほかのスタッフやキャストと比べて、僕はアントンとそれほど長い時間を一緒に過ごしたわけではないけれど、彼との仕事は本当に楽しかった。一生忘れることはないだろう。

(取材・文=宮川翔)

■公開情報
『スター・トレック BEYOND』
全国公開中
製作:J・J・エイブラムス
監督:ジャスティン・リン
脚本:サイモン・ペッグ
出演: クリス・パイン、ザッカリー・クイント、ゾーイ・サルダナ、サイモン・ペッグ、カール・アーバン、アントン・イェルチン、ジョン・チョウ、イドリス・エルバ、ソフィア・ブテラ
配給:東和ピクチャーズ
(c) 2016 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.STAR TREK and related marks are trademarks of CBS Studios Inc.
公式サイト:http://startrek-movie.jp/

関連記事