深田晃司監督、『淵に立つ』カンヌでの受賞を浅野忠信に報告 浅野「やはり監督の力が大きい」

 今秋、有楽町スバル座ほかにて公開される映画『淵に立つ』が、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞したことを受け、深田晃司監督が主演の浅野忠信に受賞報告を行った。

 『淵に立つ』は、『ほとりの朔子』『さようなら』の深田監督が手がけた日仏合作作品。下町で金属加工業を営む夫婦と、突然やってきた1人の男の共同生活を描く。主演の浅野のほか、筒井真理子、太賀、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈、古舘寛治らが出演する。

 深田監督、筒井、古舘ともにカンヌ国際映画祭に参加していた浅野だったが、授賞式には出席せずに一足先に帰国。このたび、深田監督が表彰状を持って、浅野のもとを訪れ、受賞後初対面となる受賞報告を行った。

 「カンヌで浅野さんとご一緒していた時はまだ受賞する前だったので、今日初めてこの表彰状をお見せすることができて良かったです」と話す深田監督に対し、浅野は表彰状を見ながら、「素晴らしいですね。うれしいです」とコメント。

 現地カンヌでは、海外メディアから「俳優の演技が素晴らしい!」と褒めてもらったと話す深田監督は、「本当に俳優さんたちの力でここまで押し上げてもらったな、と感謝しています」と、浅野に対して感謝の言葉を口にする。対する浅野は、「俳優の演技が素晴らしいという評価は大変うれしいです。でも、なぜ僕らがそういうところに辿り着けるかというと、それはやはり監督の力が大きいですね」と、深田監督の功績を称えながら、「僕らの意見を最大限取り入れてくれて、自由にやらせてくれました。役になりきっていく過程で、たまに行き過ぎてしまう事もあるんですが、そういう時に監督がきちんと軌道修正してくれる。そういう監督ってなかなかいないので、とても嬉しかったですね」と大絶賛。

 浅野の言葉に対して深田監督は「恐縮です」と照れながら、「監督としては俳優の皆さんも表現者の一人として現場に臨んでほしいと思いますし、実際に、今回の俳優さんは、皆さんそれぞれに解釈をして頂いて作品に臨んでくれたので、すごく楽しい、創造的な現場だったなと思います」と、撮影を振り返った。

 

■公開情報
『淵に立つ』
今秋、有楽町スバル座、イオンシネマほか全国ロードショー
脚本・監督:深田晃司
出演:浅野忠信、筒井真理子、太賀、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈、古舘寛治
配給:エレファントハウス
英語題:HARMONIUM /2016年/日本・フランス/日本語
(c)2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMAS
公式サイト:fuchi-movie.com

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