深田恭子、綾瀬はるか、上野樹里……アラサー女優が輝き続ける「条件」

 同じように、デビュー時から女優として圧倒的な存在感を発揮し続けているものの、上野樹里の場合は例外である。彼女の代表作ともなった『のだめカンタービレ』のイメージと他の出演作を比較してみると、全くの別人のように見えることもある彼女は、天性の女優センスでどんな役でも難なくこなす。日曜21時から放送されている『家族ノカタチ』で演じるバツイチOL役も、これまで彼女が演じてきた他の喜劇演技とは全く違うベクトルで魅了してくれる。

 女優としての実力だけで評価されるためには、綾瀬や上野のようにイメージを定着させるだけの強烈な代表作がありながらそれ以外もこなしていくタイプと、水川のように具体的なキャラクターイメージがなくても、彼女にしか任せられない特徴の役どころを与えられるかにかかっている。どちらにしても、女優個人のキャラクターや特性が明確であり、それを活かす配役がされれば、永遠に輝くことができるのが女優なのである。今期のドラマはその点ではかなり巧いキャスティングを実現できているのではないだろうか。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

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