山﨑賢人が少女漫画原作の映画で重宝される理由は? 王子様系俳優のポジションを読む
俳優の山﨑賢人が、2016年5月公開予定の少女漫画原作映画『オオカミ少女と黒王子』で、二階堂ふみとW主演となることが発表された。ほかにも山﨑は、『四月は君の嘘』や『orange』『ヒロイン失格』など、多くの少女漫画原作映画で主演を務めることが決まっており、俳優として飛躍しそうな勢いを感じさせる。
まさにブレイク寸前といえる状況で、特に10代〜20代の女性の支持が高い山﨑賢人。いったいなぜ、彼はこれほど多くの恋愛映画に起用され始めたのか。映画俳優に詳しいライターの須永貴子氏に聞いた。
「山﨑さんの演技はまだ初々しいところがありますが、その分、一生懸命役になりきろうと努力しているのが伝わってきて、誠実さが感じられます。だからこそ、少女漫画のヒーロー役にぴったりだし、同世代の女性の心を掴んでいるのではないでしょうか。また、俳優として未完成だからこそ、伸びしろが感じられ、役次第で大きく成長する可能性があるところも魅力です。その期待値の高さから、多くの監督がいまから育てたいと考える俳優であることも、起用作を増やしている理由かもしれません」
また、昨今の映画俳優の中で、独自のポジションを築いているのも、彼が重宝される理由だと、同氏は続ける。
「最近の20代の俳優では、染谷将太さんや池松壮亮さん、窪田正孝さんや柄本時生さんなど、インディペンデント作品にも出ているような、若くしていぶし銀の輝きを放つ、いわば“渋い”タイプの人たちが目立っています。そうした中において、山﨑さんのようにキラキラした王子様キャラをてらいなく演じられるタイプは、むしろ貴重なのではないでしょうか。もちろん、ジャニーズにはキラキラ系の俳優も多いですが、最近は彼らも渋めの役やダークなキャラクターに挑戦し始めているため、意外と少女漫画原作映画の主人公はポストが空いています。最近では朝ドラの“ヒロインの相手役”で先輩にあたる福士蒼汰さんがそのポジションにいたと思いますが、彼もそろそろ恋愛映画から大人っぽい役柄や作品に活動の幅を広げたい時期なので、ちょうどそこに山﨑さんがハマったのでは」