嵐・二宮和也、『母と暮せば』共演の吉永小百合との秘話明かす「僕の"初めてのひと"になりました」

 山田洋次監督の最新映画『母と暮せば』のクランクアップ記者会見が、8月12日に都内にて行われた。山田洋次監督ほか、初共演を果たした吉永小百合と嵐の二宮和也、黒木華、浅野忠信が登壇し、映画への感想などを語った。同作は、原爆投下から3年後の長崎を舞台に、母と息子の心の交流を描いた作品で、原爆で亡くなり幽霊となった息子・浩二役を二宮が、その息子との限られた時間に幸せを過ごす母・伸子役を吉永が演じている。作家の井上ひさしが『父と暮らせば』『木の上の軍隊』という作品に続いて描こうとしていた物語を、山田洋次監督が映画という形で紡いだ作品だ。監督は「この作品は母と子の愛情の物語で、息子の悲しい恋の物語だけど、映画を通じて戦争や平和についても改めて考えてもらえれば」と、同作の意図を明かした。

 母役を演じた吉永小百合は、5年振りとなる山田洋次監督作品に出演したことについて、「今回は一番、監督の情熱を感じました。それに応えられなくて落ち込んだこともあったけれど、息子役の二宮さんが軽やかに演じてくださって、それに助けられて最後までやることができたと思っています」と感想を語り、今回、初めての山田洋次監督作品となる二宮は「監督に紙とペンを渡されて、『自分の名前を書いてごらん』っていわれているような感覚だった。"二宮和也"って書いても、漢字はこれで合っているのかな?って、自分でも混乱してしまうような。それではダメだと思い、書きなぐるように全力で現場に立たせてもらいました」と、気迫に満ちた現場だったことを明かした。

 また、記者より二宮と吉永の"仲良しエピソード"について質問されると、二宮は「僕は"和也さん"と呼んでいただいたんですけど、ちょっとドキドキしちゃいました。親にも身内にも一回もそう呼ばれたことがなかったので、僕の"初めてのひと"になりました」と語り、集まった人々を笑わせた。さらに、自身の名前について「"かずや"と書いて"かずなり"と呼ぶんですけど、間違えられることが多くて。僕自身も初めての現場では"かずや"でもいいかなって諦めていたんです。でも吉永さんは第三者がいるときにいつも"かずなりさん"と呼んで宣伝活動をしてくださって。"かずや"で諦めていた自分をぶん殴りたいですね」と言って笑顔を浮かべた。