【ONE PIECE考察】ルフィの「ギア5」なぜ賛否両論? “海賊王の左腕”が語った言葉の意味とは

※本稿は『ONE PIECE』最新話までのネタバレを含みます。連載を未読の方はご注意ください。

 『ONE PIECE』第1190話では、海賊王の左腕であるスコッパー・ギャバンからの、ルフィへの“お説教”が描かれた。

 今回は“伝説”が次世代へと繋ぐ最新話の注目ポイントについて、ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞く。

「ルフィが海賊王を目指す漫画として、この辺りで一回キュッと締める話でしたね。ルフィはこのまま楽しく戦っていくと思っていたので、読者としても気を引き締められる気持ちでした。これまで、ウォーターセブンでウソップが抜けたときや、パンクハザードでルフィが一度やられたときなど、ゾロがルフィに喝を入れるシーンは何度かありましたよね。でも海賊王の左腕からの喝は、また一段階上のように思えてカッコよかったです。ギャバンはルフィを見放したわけではなく、むしろ自分たちが待ち望んでいる男だと期待しているからこその、愛の鞭だったと思います。自らを『愛の伝道師』と言っていた彼ですが、このシーンはまさにその通りだと感じました」

 ギャバンからの説教をきっかけに、常に笑顔で戦う“ルフィのギア5”に一石を投じる投稿が、SNSで話題に挙がったが……。

「個人的には、ギア5の戦い方や最近の『ONE PIECE』に、世間の風当たりほどマイナスな感情は特にありません。もちろんずっと面白いのは前提ですが、『ONE PIECE』も連載漫画なので、その面白さのなかに波があるのは当たり前だと思います。それはこれまでも同じで、幾度となく言われてきています。でも結局は、最終的にめちゃくちゃ面白くなっているんですよね。確かに、その期待を裏切られたら読むのをやめていると思いますが、私は29年間その期待を裏切られたと感じたことはないですね。SNSで色々な意見があるのは把握していますが、ここまで大きな作品だと色々な捉え方をする人がいるのも、当たり前だと思います。私は今も、毎週非常に楽しく読ませてもらっていますね。あとは単純に漫画は趣味の世界なので、楽しんだもん勝ちだと思います。不満を周りに撒き散らかすような人にもなりたくないですし」

 最新話のタイトルは、作品の根幹にも関わるモノだった。

「第1190話のタイトルは『死んで喜ばれる者』。ギャバンは『海賊王』という称号を、誰もが狙う座だからこそ『死んで喜ばれる者の名』と語っていました。確かにそうだなと思う部分もありながら、ルフィならそこも超えていってくれるのではと思うんですけどね。もちろんロジャーも壮大な旅をしてきて、海賊王になったときに喜ぶ人はいたと思います。でもルフィはいくつもの国を救い人を救い、戦ってきました。ルフィなら、頂点に君臨したことを世界中から喜ばれる海賊王に、なってくれるんじゃないかなと期待してしまいます」

 落胆だけでなく、ギャバンからルフィへの期待も十二分に感じられる最新話だった。

「イムもギャバンも、来るかもわからない未来に翻弄され、争っているような状態です。しかし是が非でもルフィを消そうとし、片方は生かそうとする。そしてギャバンはルフィこそが、『おれ達の“待ち望んだ男”』だと口にしました。このシーンで並んだ、ギャバン、レイリー、クロッカス、シャンクス、おでん、白ひげの6人が、めちゃくちゃカッコよかったですね。まさに伝説のジジイ達って感じで、貫禄が凄まじいです。これだけの人物が期待し、イムが確実に殺そうとするルフィが、本作の主人公なんだと改めて強く感じられるエピソードでした」

 今はイムに歯が立たないルフィだが、やはり彼が世界の命運を背負っていると考えて間違いない様子。さらなる進化と成長に期待して、今後を見る。

関連記事