【漫画】愛する第一子に謝りたいこととは? 親世代の涙腺を刺激する育児漫画『特別な1人目』
初めて親になるときの楽しみや苦労は他に代えがたいもの―—。そんなしみじみとした感情を綴った漫画『特別な1人目』がXに投稿されている。
作者は、仕事と育児の合間を縫って日常漫画を描き続ける月光もりあさん(@moria_moria)。普段は育児のあるあるネタや笑えるエピソードを中心に投稿するなかで、今回はしみじみと胸を打つ作品となった。そんな彼に制作の裏側や、日々のネタ探しの方法について聞いた。(小池直也)
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――Xに投稿した反響はいかがでしたか?
月光もりあ(以下、月光):感動系の作品の方が反響が大きいですね。コメントも9割くらいが共感の内容でした。残りの1割くらいは「上の子に我慢させてしまうから兄弟は作りたくない」というような意見もあって。「そういう意味じゃないんだけどな……」と思いながら返事をさせてもらいましたね。
――制作のきっかけについて教えてください。
月光:今作は娘が寝てる姿をふと見て、うるっとしちゃって。走馬灯みたいに色々思い出して、いつも「ちょっと待って」ばかり言ってたな、我慢させてるなって。多分「兄弟あるある」なんだろうなと思いながら、感じたことを描きました。
――ひとり目のお子さんの存在は改めて、ご自身にとってどんな意味がありますか。
月光:ひとり目のおかげで、どの親もレベルが上がると思うんですよ。よく言えば効率がよくなるし、悪く言えば雑になる。気にしなくていいところは気にしなくなるし、へっちゃらになっていくと思います。
――娘さん自身が本作を読むということもあるのでは?
月光:今は長女が2年生なのですが、僕の漫画を読んで漢字もまだ読めないのに「こんなに自分を大事にしてくれたんだ」と泣いてましたね。びっくりしました。
それから「もう本を出さないの?」と言うんですよ。忙しさから、2冊目の単行本の話を半年ほど断っていたのですが、娘のおかげで少しずつ進めていこうという気持ちになってます。
――作画面でこだわった部分はありますか。
月光:最後の手を握るシーンですかね。そこは珍しく雑に描かず、ちょっと真面目に描きました。普段はいかに時間をかけずに描くかを意識してるんですけどね。ラフに描いても成立するのが、エッセイ漫画の醍醐味ですから。
実は高校生の頃、鳥山明さん『Dr.スランプ アラレちゃん』のコマの隙間に描かれていた、鳥山さん自身のエピソードを読んだのが漫画を描き始めたきっかけなんです。貧乏でお腹が減っても笑ってる家族だったけど、賞金目当てに応募したら声がかかって漫画家になったという話。それを読んで「こんな簡単に漫画家になれるんだ!」と思ったんです(笑)。
―—なるほど。
月光:実際は20代のときに紙とペンで何カ月もかけた原稿を、編集者に40秒くらいで読まれて「こんなのやってられるか」と挫折してるんですけどね。子供が生まれる前くらいに、妻にエッセイ漫画家・まめさんの作品を教えてもらったときは驚きました。線が少なくてラフだけど面白いんですよ。勝手に師匠だと思ってます(笑)。「これでいいなら、自分も描きたい」と思ったのが制作再開のきっかけです。
――なるほど。普段から漫画のネタはどうやって考えているんですか。
月光:基本メモを取りますね。公園で遊んでいてスマホに触れないときは記憶しておいて、落ち着いたタイミングでメモする感じです。ストックしているネタは1000個くらいあると思います。
――そのなかから実際に漫画にする順番はどのように決めているのでしょう?
月光:お笑いネタが続いたら、たまに真面目な話を挟むようにはしています。あとは単純にそのときの状況ですね。時間がない日は少ないページ数で成立するネタを選びます。真面目な話はページもコマも多くなるので、あと回しになりがちで……。
バズりそうな感動系のネタは、いくつも眠ってますね。普段の投稿も3人目が生まれてからは全然描けてないです。新作は月に1~3本描ければいいかな程度までペースが落ちました(笑)。
でも公園に行った日に五個メモが取れたら、その日は「5回楽しいことが起きた」ということじゃないですか。それが幸せなんです。思い出を日記みたいに書いてる感覚に近いですね。
――今後の展望を教えてください。
月光:最近3人目が保育園に通い出し、夜通し寝てくれるようになってきたので、ようやく時間が確保できるようになってきたところです。2冊目の本も頑張って出したいですし、子どもたちが喜んでくれそうな絵本も出したいです。あとは育児エッセイ漫画とは別に、ギャグ漫画も描いていきたいですね。