原田マハ『星がひとつほしいとの祈り』累計22万部突破 ゴッホ特装版が異例の重版
原田マハの短編小説集『星がひとつほしいとの祈り』(実業之日本社文庫)が累計22万部を突破したことが発表された。
2026年3月に原田が作家デビュー20周年を迎えたことを記念して製作されたゴッホの特製カバー版は、1か月で3回の重版がかかるなど、2013年の発売から13年を経て異例の注目を集めている。
本作は、20代から50代までそれぞれの今を生きる女性たちの希望と祈りを見つめた7つの物語を収めた短編集。表題作「星がひとつほしいとの祈り」では、売れっ子コピーライターの文香が出張後に寄った道後温泉の宿で、戦時中の令嬢だった盲目のマッサージ師の老女と出会い、その悲恋を聞くことになる。「斉唱」では、未婚の母である梓が、心を開かない中学生の娘と体験学習のため佐渡へトキを見に行く姿が描かれる。
原田は1962年東京都生まれ。伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、翌2006年に作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞、2024年『板上に咲く』で第52回泉鏡花文学賞を受賞。ほかに『総理の夫 First Gentleman』『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』『リボルバー』など著作多数。
特製カバーにゴッホの「星降る夜、アルル」が採用された経緯について、原田は「ゴッホは私にとっては特別な画家です。彼は生涯をかけて星を探し続けていた人だと思う」と語っている。
■原田マハコメント
20周年に寄せて
「星をひとつ、探し続けて20年。とうとう、みつけました。この本の中に」
『星がひとつほしいとの祈り』への想い
「作家になって3年目くらいの頃から雑誌『Jノベル』で始めた不定期連載をまとめた1冊です。当時は自分のことをまだ作家と言ってはいけないと感じていて、一瞬一瞬が作家になるための血肉になると思っていた時期。いつも旅先でも、心に残ったものをスケッチみたいに自分の中に残して、いつか物語にしようと思っていました。この短篇集を読み返すとあの頃の気持ちがよみがえります」
特製カバーにゴッホの「星降る夜、アルル」を選んだ理由
「ゴッホは私にとっては特別な画家です。彼は生涯をかけて星を探し続けていた人だと思う。こんなに自分は星を探し続けているのに、星はどこにあるんだ、と。いったいどこにあるんだ、と彼は思っていたかもしれないけれど、実はすでに彼はたくさんの星を見つけ、たくさんの物語をこの世界に残してくれたんですよね。彼が残してくれたたくさんの星のなかから、たったひとつの星を私は見つけたい。読者の方々にも、ご自分の星を見つけていただけたら、という思いがあるので、『絶対にこの絵がいいです』と編集者さんに伝えました」(2026年4月、リアルサウンドブックインタビューより)
■書誌情報
『星がひとつほしいとの祈り』
著者:原田マハ
価格:891円(税込)
発売日:2013年10月4日
出版社:実業之日本社