【漫画】一目惚れしたカフェ店員の性別がわからなかったら? 中性的な魅力にドキッとする妖艶ラブコメ

 スカートではなくパンツスタイルの制服を選ぶ女学生もいる昨今、中性的なビジュアルの人と接することもあるだろう。Xに投稿された『一目惚れしたカフェ店員さんの性別が分からない』は、一見では性別もわからない「千尋さん」との出会いが描かれるラブコメだ。

 主人公のことりと同じように、中性的かつ妖艶な雰囲気を持つカフェ店員・千尋に心を奪われてしまったという作者・たかせうみさん(@TakaSe519)に、制作の裏話など話を聞いた。(望月悠木)

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『一目惚れしたカフェ店員さんの性別が分からない』(たかせうみ)

実体験がベース

――「カフェの店員の性別がわからない」ということを軸に展開されるラブコメでしたね。

たかせ:冒頭、主人公のことりが千尋に「こちらのティーポット、お下げしてよろしいでしょうか」と声をかけられ、ティーポットが何かもわからなくなるくらい見惚れてしまうシーンがあるんですが、あれは実体験がベースになっています。

――すごい体験をしましたね……。

たかせ:私もことり同様、あまりにも素敵な店員さんについ見惚れてしまい、一瞬本気で「ティーポットってなんだっけ?」となったことがあって(笑)。しかも、その方がすごく中性的な雰囲気だったので、「この体験をそのまま漫画にしてみたら面白いかもしれない」と思って制作しました。

――ことりと千尋が出会ってからのストーリーは、どのように決めていきましたか?

たかせ:「一目惚れした相手の性別がわからない」という設定なので、「ことりたちはまず、どうにか性別を確かめようとするだろう」と思い、そこが物語の出発点になりました。でも、ことりと千尋はあくまで店員と客という関係です。だからこそ、どこまで踏み込めるのか、その微妙な距離感を意識しながら展開を考えていきました。

――女友達の会話のシーンが、まさに女性同士が恋バナしている時のワチャワチャ感が絶妙に表現されていましたね。

たかせ:そこはあまり気取りすぎないことを意識しました。“仲のいい友達同士が、気楽にしゃべっている感じ”を出したかったので、セリフもあまり作り込みすぎず、最初にぱっと浮かんだ言い回しをそのまま使っています。普段、自分や周りの友達が使っているような、自然な言葉遣いを大事にしました。

恋する瞬間を描いたシーン

――本作は“千尋の性別”が肝です。ことりを含め、読者にも「男性なのか女性なのか」を曖昧にする必要があるため、千尋を描くうえで意識したことは?

たかせ:まず「黒髪マッシュの中性的イケメンはみんな好きだろう」という個人的な偏見でデザインしました(笑)。また、本作を読んだ友人に「千尋ってちょっとサイコパスっぽいよね」と言われたことがあるんですが、実は自分の中でも少しそういうイメージはありました。

――たしかにゾワゾワっとする雰囲気を持っていますよね。

たかせ:例えば、後ろから急に声をかけられても、声も上げずにバッと振り向くその様子。フレンドリーではあるけど、何を考えているのか読めない。笑顔なのに表情の動きが少なくて、どこか余裕がある。冷たいわけではないけれど、「この人、何を考えているんだろう」と思えるような存在に見えるよう意識しました。

――ラストで、千尋に抱き寄せられた時のことりの表情が、完全に恋をしている女性の表情になっていて、とても印象的でした。

たかせ:おっしゃる通り、あのシーンはまさに“ことりが恋に落ちた瞬間”として描いています。それまでのことりは、千尋の性別が気になってずっとグルグルしていて、まだ恋のスタート地点には立てていませんでした。でも、あの場面で「いつも可愛くしてますもんね」と千尋から声をかけられて、初めて「自分が一方的に見ているだけじゃなかったんだ」とわかるんです。

――そんなことを言われたらドキッとしちゃいますよね。

たかせ:それまでは、「かっこいい」とか「イケメンだ」といった表面的な惹かれ方だったものが、あそこで初めて“ちゃんと会話のできる生身の相手”になったんだと思います。なので、あのシーンは“ことりの恋の本当のスタート地点”ということを意識して描きました。

――今後はどのように漫画制作に取り組んでいきたいですか?

たかせ:現在連載中の『部下がポジティブで泣きたい』(ボニータ・コミックス)が、6月16日にコミックス第1巻の発売を控えていて、内心とてもドキドキしています。「しごでき完璧女子が、とんでもなくポジティブな部下に振り回される」という、泣きたくも笑いたくもなるオフィスコメディです(笑)。ぜひチェックしてもらえればと思います。

 また、今後も「人の心ってこういう時に動くんだな」「こういう感情ってあるよな」と思える瞬間を、コミカルに、ときどきシリアスに描いていけたらと思っています。よかったらまた読んでいただけると嬉しいです!

『部下がポジティブで泣きたい』:https://championcross.jp/series/8e6d57cb61b6f/
『部下がポジティブで泣きたい』1巻:https://amzn.asia/d/00W5XV3Q

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