【漫画】孤独な少女に寄り添うのは意外なモノ……シュールで心温まるSNS漫画『コーン!』にほっこり


ーー創作のきっかけを教えてください。

田ばた:散歩が好きで、あるとき「三角コーンってどこにでもいるな」と思いました。頭にライトがのせられたりとか、棒で繋がれていたりとか……。いろんな三角コーンがいるなと感じるとだんだんかわいく見えてきて「三角コーンの漫画を描きたい」と思うようになりました。

ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?

田ばた:12ページ目、主人公と三角コーンが並んだ2コマです。本作では三角コーンを中心に描きたかったので、このページの三角コーンが1番かっこよく描けた気がします。

ーーこのシーンで描かれた壊れかけの三角コーンも実際に目にしたもの?

田ばた:そうです。ボロボロの三角コーンには中に空き缶やゴミが入ってることが多くて、いつも悲しく思っていました。そのためゴミではなくお花とかが入ってたらいいなって思いながら、最後のコマを描きました。

ーー各コマの構図が巧みな作品だと感じました。

田ばた:ありがとうございます。今まで漫画を描くなかで構図をあまり考えていませんでした。なので本作ではなるべく読みやすく、見ていて飽きない画が描けたらいいなと考えながら制作しました。

 とくに構図を意識したのは10ページ目です。ネームのときは正面から見た画だったのですが、下から見たように描くといい感じになりました。

ーー今では中高生にもスマートフォンが普及しているなか、主人公・のぞみさんの撮影機材として「チェキ」を選んだ理由は?

田ばた:彼女の部屋に写真を飾りたかったからです。またチェキだったら撮影後すぐに写真が出てくるので、物語の流れとしてもいいかなと思って。また女の子がチェキを持ってたらかわいいと思ったことも背景にあります。

ーーチェキだけでなく三角コーンのフィギュアなど、自分の部屋を飾り付ける様子から思春期の女の子らしさを感じました。

田ばた:中学生って部屋に好きなものを散りばめたくなる時期だと思います。おそらく三角コーンのぬいぐるみは売っていないですよね。主人公は自分でぬいぐるみをつくったのかなと思いながら、ベッドにある三角コーンのぬいぐるみを描きました。

ーー漫画を描きはじめたきっかけは?

田ばた:昔から絵を描くことが好きで、気づいたら漫画を描いていました。とくにセリフを考えることが好きで、その場でしかわからないノリ、その場だけの面白さを描きたくて漫画を描くようになったのだと思います。

ーー本作では女の子が主人公でしたが、田ばたさんは男の子の日常を描いた漫画が多いと感じました。

田ばた:男の子って何をしてもかわいいです。怒っても、泣いてもかわいい。また、どうでもいいことに全力になっているイメージがあり、そんな姿を見て元気がもらえます。その場のノリでいろんなことをやっちゃうことに憧れているのかもしれません。

ーー本作で女の子の日常を描いてみて、いかがでしたか?

田ばた:本作のネームを描いたのは1年半ほど前なのですが、主人公が女の子だからか漫画を描く気持ちには全然なれず……。本作は三角コーンが主役のため、主人公を男の子にしてしまうとキャラクターに力を入れすぎてしまう気がしたので、女の子を主人公にしました。

 ただ女の子が主人公の作品を描いてみて、やっぱり男の子を描きたいと思いました。自分と同性のキャラクターは自分自身と重なってしまうため、描きたいという気持ちが湧きづらいのかもしれません。

ーー今後の活動について教えてください。

田ばた:とにかく楽しく漫画を描くことが1番の目標です。あわよくば読んでくれた人にも楽しんでもらえる漫画が描けたらいいなと思います。

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