【漫画】飼い犬が突然喋り出し、人間のように振る舞い始めたら? SNS漫画『犬紳士』の行く末が気になる


ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

加角遠:ペットが突然、人間と会話ができるようになり、更には人間と変わらない人権ならぬ犬権を求めたら、飼い主との関係はどうなっていくのだろう……と思い描きました。

ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?

加角遠:ジェラルドさんが紅茶を淹れているシーンです。

ーージェラルドさんの紳士さ、真摯さが魅力的でした。

加角遠:とにかく「飼い主のことが大好きで、尊重していることが伝わればいいな」と意識しながらジェラルドさんを描写しました。けれど「レイディ」という、ちょっと変わった発音で飼い主を呼んだりなど、完璧に振る舞えていないところがあり、可愛いキャラになったかなと思っています。

ーーちなみにジェラルドさんの犬種は?

加角遠:ブラックシェパードです。

ーー飼い主から「私はもうあなたを飼い犬だとは思いません(中略)何でもおっしゃってくださいね」という言葉を受けたときの、瞳が揺れるジェラルドさんの反応が印象に残っています。

加角遠:今までジェラルドさんは人権ならぬ犬権を求めて、衣食住を人間レベルに上げられるよう交渉を続けていました。しかし、そこにはいつも「飼い犬の自分が……」という葛藤と申し訳なさがあったのです。それが飼い主から「自分と同等の存在として受け入れる」というお墨付きをもらい、喜び、不安、希望、葛藤など、様々な感情が頭をよぎりました。

 ここまで来たらペットと飼い主の関係に留まることはできない。自分はより多くのものを求めるだろう。しかし、それに飼い主は答えてくれるだろうか? そもそも、そのような要求は許されるものなのかーー。

 自分の葛藤を飼い主に気づかれぬよう必死に隠したい……そんな心境を表現するために「何も言わず瞳を揺らす」という描写にしました。

ーー本作のつづきとなる物語はある?

加角遠:ちょっとだけ何か描ければとは思ってます。もし描くことがあれば読んでいただければ嬉しいです。

ーー制作した漫画をSNSやコミティア(一次創作物の同人誌即売会)で発表するようになったきっかけを教えてください。

加角遠:作品をたくさんの人に見てもらいたくてSNSでの投稿を始めました。コミティアはSNSで描いた漫画が溜まってきたので再録本を出してみたくて参加しました。再び作品が溜まってきたので第二弾を出したいです。

ーー今後の活動について教えてください。

加角遠:自分の漫画を読んで新たな視点で世界を見れるようになったと感じてもらえたら嬉しいです。個人制作・商業制作問わず、これからも作品を発表できればと思います。

関連記事