【漫画】親友が髪をピンク色にしたら、なぜ世界が崩壊? 不穏で浮遊感のある百合漫画から目が離せない

「創造は破壊とセットが良い」

――なぜ『親友が髪をピンク色にしたら世界が崩壊した百合』を制作したのですか?

わにのかたみ:もともと“友人の飲んでいたジュースの色に髪色を染める百合”という設定だけがありました。ある時、そこに“友人が髪色を染めたら世界が崩壊する”という要素を加えたところ、「これはストーリーになりそうだな」と感じて本格的に描き始めました。

――“世界崩壊”というアイデアを加えたのは大胆な選択ですね。

わにのかたみ:最初は“メグミの自己の世界が崩壊する”というストーリーを考えたのですが、「それなら実際の世界が壊れたほうが愉快では?」と思って切り替えました。そこで「親友が髪色をピンクに染めた全能感で、何でもできるようになっちゃう」という方向にしました。こういったしょうもないことをキッカケに創作のエネルギーは倍増するし、乾いたりもすることがあります。また、「やっぱり創造は破壊とセットが良いな」と考えたことも大きいです。

——また、「人が、空間に従うんだよ」というセリフがあった通り、“建築”がとても印象的でしたが、今回建築をメインテーマとして選んだ経緯もお聞かせください。

わにのかたみ:もともと建築や空間が好きなんです。また、以前読んだ本に“建築は人を従わせる芸術”みたいな記載があり、「確かにそれも自分が建築が好きな理由の一つかもしれない!」と思った経験を作中に加えました。

——メインの2人はどのように作り上げましたか?

わにのかたみ:2人とも「SNSを使いこなしていそうなZ世代」「流行りも追うけど“好きなものは好き”とはっきりしている」といったイメージから、肉付けしていった感じです。また、創作においては「ヒロムは手を動かしてから考えるタイプ」「メグミは考えてから手を動かすタイプ」みたいに別々のイメージから作り上げました。他にも、私自身が流行りの女の子の髪型に詳しくないため、大学で働いてる友達にキャラデザを見てもらったりもしました。

——ヒロムの天真爛漫な振る舞いが印象的でした。ヒロムの言動の決め方は?

わにのかたみ:ヒロムは創作を含める行動原理が全て「楽しいから」です。それと同時に、思い通りにいかなくても楽しめる余裕を持っており、それは「ヒロムが恵まれた環境で生きてきたから」でもあります。その辺りを意識して描きました。

——最後に今後の活動の予定など教えてください。

わにのかたみ:「コミティア」に時々出展したりもしますが、今度は「どこかの漫画賞に投稿することを想定してから物語を創るのもやってみたい」と思っています。なにか発表できた際には読んでもらえれば嬉しいです。

『親友が髪をピンク色にしたら世界が崩壊した百合』全ページ:https://x.com/mm0kt0/status/1835662940319691095

関連記事