『HUNTER×HUNTER』幻影旅団はもうすぐ壊滅する? 「王位継承編」で次々と描かれる不吉な兆候

終わりに近づく幻影旅団の「芝居」

  これまで「王位継承編」を読んできた読者の多くは、幻影旅団が主役級の扱いを受けていると感じているのではないだろうか。B・W号の下層で巻き起こる出来事は、主にノブナガたちの視点から描かれており、単行本の第36巻では、数多くの登場人物たちを差し置いて幻影旅団の面々が表紙を飾っていた。

  また最新38巻では、幻影旅団の過去編が3話にわたって描かれている。謎に包まれていた彼らの動機や結成の経緯が、なぜ今になって明かされたのか……。その理由は、「王位継承編」において幻影旅団が重大な役割を担うためだと思われるが、さらに穿った見方をするなら“ここで出番が終了するため”かもしれない。

  過去編に関していえば、第405話で描かれた船内の大型ビジョンの情報も見逃せない。そこではニュース番組にて、「子供の未来」財団理事長のリスノースという人物が10年前に殺害されていたことが報じられていた。

  実はこのリスノースは幻影旅団の過去編に登場していた人物で、流星街でサラサを虐殺したメンバーの1人だった。つまり幻影旅団の目的の1つだった“サラサの復讐”は、とうに達成されていたということだ。

  同じく第405話ではボノレノフが幻影旅団の内情について考えを巡らせ、ヒソカを倒した時点で“この芝居”を終わりにするべきだと語っている。あくまで予想ではあるが、「王位継承編」のテーマの1つは「幻影旅団の終わりを描くこと」なのではないだろうか。

  クロロ自身も第406話にて、自身の死を予感させるような発言を漏らしていた。ただしそこには何らかの計画があるらしく、たとえ自分がやられても幻影旅団の存続には何の支障もないと確信しているようだ。

  はたしてクロロはヒソカを追跡する裏で、いかなる計画を練り上げてきたのか。そしてノブナガたちは、壮絶な戦いをいかにして切り抜けるのか……。幻影旅団の面々は、まだまだ物語を盛り上げてくれそうだ。

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