「おまえに読まれて死ぬ」 藤田和日郎本人が“漫画家漫画”『これ描いて死ね』赤福のセリフに反応

 『うしおととら』や『からくりサーカス』などのヒット作で知られる人気漫画家の藤田和日郎氏が10月16日、自身のXを更新。漫画制作に打ち込む女子高生たちの青春を瑞々しく描いた“漫画家漫画”『これ描いて死ね』(とよ田みのる)の1シーンを引用し、『おまえに読まれて死ぬ』とコメントした。

 そのシーンとは、『これ描いて死ね』の主人公・安海相の同級生で、良き友人の赤福幸が「藤田和日郎の漫画読んでると胸がカッカして好き」と語っているシーン。赤福は藤田氏も好きなキャラクターのようで、「赤福 幸! おまえ~~~~~。 おまえ~~~~~~~~。 (>_<) おまえ~~~~。こいつう~~~~~。」と、ポストからも愛おしさが滲んでいる。「おまえに読まれて死ぬ」は作品タイトルをもじった粋な言葉だ。

 赤福自身は漫画を描かないが、相たちの漫画をゆるく楽しみながら、鋭く批評する人気キャラクターだ。いわば編集者的ポジションで、常にテンション高く、熱量を持って漫画を楽しんでいる姿が、いかにも藤田和日郎作品ファンらしい。藤田氏自身も「しっかし、赤福 幸ちゃんは鋭いこと言うよねー。 しゃべってみたいよ。 漫画のいいところを見つけてくれるの、すごいい編集さんになれるぞー。( ◠‿◠ )」(原文ママ)とコメント。作者のとよ田氏は「漫画の中で赤福と藤田先生合わせてあげたいです!」「大ファンの藤田先生にそう言っていただけて赤福も死ぬほど喜んでいると思います」と感激していた。

 『これ描いて死ね』は書店員らが選ぶ「マンガ大賞2023」で大賞を受賞しており、漫画好きの間ではすでに愛されている作品だが、まだアニメ化をはじめとするメディアミックスは進んでいないため、触れたことのない人も少なくないかもしれない。やや脱力感のある児童漫画ライクな画風で展開する物語は、「創作」の本質に迫る熱さと清々しさがあり、笑いながら泣いてしまうような傑作だ。レジェンド漫画家・藤田和日郎も注目してる本作を、ぜひチェックしてみよう。

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