老舗アイドル雑誌「ポポロ」が突如休刊に……ファンが語る、推し活としての“雑誌の重要度”
■「ポポロ」突然の休刊発表
麻布台出版社が刊行するアイドル雑誌「ポポロ」が、7月22日発売の9月号で休刊することがわかった。公式サイトや公式Xで突然、発表された。「ポポロ」は1992年に創刊し、主に男性アイドルを中心に特集し、女性を中心に根強い人気があった。
ネット上でも驚きの声が上がっていた。「ずっと買っていました」「好きな雑誌でした」など、休刊を惜しむ人が多く見られた。Xでは「ポポロ休刊」が一時トレンド入りを果たすなど、注目の高さがうかがえた。
公式Xには「読者の皆さま 本日発売のポポロ9月号をもちまして、ポポロは休刊することとなりました。突然のお知らせとなり、申し訳ございません。長い間、ご愛読いただきありがとうございました」と、感謝の気持ちが述べられていた。
また、「1992年の創刊以来、32年以上もの間、絶大なご支援をいただきましたことを、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました」と、読者に向けて重ねてお礼の気持ちを伝えていた。
最後に、「長きにわたり支えてくださった読者の皆さま、クライアントの皆さま、制作にご協力いただいた関係者の方々に御礼を申し上げるとともに、今後もご購読を予定されていた読者の皆さまに心よりお詫び申し上げます。長年ご愛読いただき、誠にありがとうございました」と結んでいる。
■推し活の情報源はネットに
「ポポロ」といえば、当初は俳優や歌手のインタビューも掲載されていたが、次第に「STARTO ENTERTAINMENT」(旧ジャニーズ事務所)の男性アイドルの記事に圧倒的な強みを持ち、インタビュー記事や撮りおろしの写真なども多数掲載されていた。しかし、ネットの普及に伴い、ファンがアイドルの情報をもとめるメディアはSNSなどに移行し、発行部数が落ち込んでいたと思われる。
数年前までは、男性アイドルが雑誌の表紙を飾ると、その号だけが凄まじい売行きを示す現象が起こっていた。しかし、コロナ禍が長引いたことや書店の減少など複合的な要因で、雑誌離れが加速度的に進んでいたと思われる。また、ファンがお金を使う先も変化しているという指摘がある。あるアイドルファンはこう話す。
「かつてはアイドルのポスターが付録でついていたり、雑誌は推し活には必須アイテムでした。今は公式のグッズもアクスタなど様々なものが出ているし、ライブなどに遠征する資金が必要。雑誌の重要度はかなり低下していると思いますね」
今回の「ポポロ」の休刊は、インタビューや写真だけでは雑誌が売れない時代が到来したことを象徴する出来事もいえる。かつて複数誌存在したアイドル雑誌はもはや風前の灯火となっている。寂しいものがあるが、これも時代の変化なのかもしれない。