【漫画】外国人夫婦のお宅で怪しい葉っぱ料理を食べたら……エスニック料理で世界が広がるWEB漫画が面白い

――本作は約4万いいねが付いており、かなりバズっています。要因について何か思うことは?

いずいず:タイトルの引きが上手くできたので、読んでもらうことができたのかなと思っています。いただいた感想からも「食の世界から世界が広がる」という一番伝えたいメッセージが届いていたようで嬉しかったですね。

――高校時代の経験を改めて漫画にしたきっかけを教えてください。

いずいず:エスニック料理が好きなんですけど、その理由を辿っていくと当時の経験が原点なんですよ。それを作品として形にしたのが本作でした。

――食べた瞬間のカットが何ともキャッチーでよいなと思いました。

いずいず:あの時は抵抗感もありつつ、本当に美味しくて感動したんですね。そのトリップ感を表現しました。今でも食べたことがないものに挑戦してみるのは好きですね。

――制作にあたって苦労されたことなどは?

いずいず:カンボジアの政治的な背景をどこまで説明するのかは迷いました。とはいえ、ご夫婦が日本にやってきた事情は描かないと語れない部分でした。でも、その程度で留めたことで構成がまとまったと感じています。

私自身は学生時代から歴史の授業がドラマを見ているようで好きでした。文脈やルーツを調べるのも癖になってますね。ただ読者の方々には自由に考えてほしいので、作品で触れる場合はバランスを見ながら色が付かないように気を付けていますね。

――いずいずさんがエッセイ漫画を描くようになったのはなぜでしょう。

いずいず:もともとイラストの仕事をしていて、漫画を本格的に描き始めたのはコロナ以後でした。一枚絵だけだと表現の制限があるし、日常にある面白い話をSNSで多くの人に聞いてもらえるのが嬉しくて描いています。「授業中に回す手紙」感覚なんですよ(笑)。

  イラストは本の装丁などは作れますが、自分でコンテンツは作れないんですよ。私は自我が強いタイプなので、自分の意志を持って描ける漫画の方が向いている気がしますね。今はイラストと漫画の両輪でやっています。

――影響を受けた作家などもいたら教えてください。

いずいず:たくさんありすぎますね……(笑)。ホラー漫画が好きなのですが、犬木加奈子さんの影響は強いかもしれません。一方でソニープラザの雑貨キャラクターも好きだったりもします。あとは和田誠さんや安西水丸さんなど、90年代のイラストレーターの方々など色々なものを摂取してきました。

――今後チャレンジしたいことなどあれば最後に教えてください。

いずいず:エッセイだけではなく、少しずつ創作漫画も描いていければと思っています。群像劇が好きなので、三谷幸喜さんの作品のようなリアルな人間愛を描く漫画を描けたら嬉しいです。

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