【重版情報】晩婚・非婚の時代の中『ゼクシィ』はいかにして成功した? メディアの可能性に迫る書籍が話題

 結婚情報誌『ゼクシィ』(リクルート)はいかにして「結婚のバイブル」となったのか。『ゼクシィ』にまつわる数々の神話からプラットフォーム型雑誌の特異性を多角的に分析する、『ゼクシィ』のメディア史 花嫁たちのプラットフォーム(創元社)の3刷が出来した。

 朝日新聞書評欄に掲載された小説家の山内マリコによる書評をはじめ、各種媒体で取り上げられ話題となった本書。“『ゼクシィ』=結婚”という記号が成立するほどにその認知を高め、交際相手に結婚を意識させるために、部屋に何気なく「ゼクシィ」を置いておく行為が「ゼクシィテロ」とも呼ばれるようになった日本を代表するウエディング情報誌・『ゼクシィ』。中国出身のメディア研究者・彭永成が、メディアとしての『ゼクシィ』の歴史と特異点について分析する。

 ブライダル市場が縮小し続けているのに対して、結婚情報誌『ゼクシィ』の好調は止まらない。現代社会における冠婚葬祭の意味が薄れ、「みなし婚」、「事実婚」の著しい増加、晩婚化、非婚化が加速し、さらに活字離れも進む現代。逆風に負けず、紙の結婚情報誌市場で独占的なシェアを誇る『ゼクシィ』の姿は、多くの情報誌の希望となっている。もちろん、『ゼクシィ』も常に順風満帆であったわけではなく、その人気の背景にあるのは、時代や社会に合わせて絶えず「新しい花嫁像」を提示してきた、変革の歴史だ。

 業界で「ひとり勝ち」し続ける『ゼクシィ』の絶対的地位を支える「ゼクシィ神話」成立の秘密と、その歴史について知ることのできる一冊。デジタル時代における紙のメディアの未来を考えるための必読書となっている。

作品情報


■書名:『ゼクシィ』のメディア史 花嫁たちのプラットフォーム
■著者:彭 永成
■刊行年月日:2023年4月3日
■ISBN:978-4-422-21021-6
■定価:3,850円(税込)
■判型:A5判
■頁数:352頁
■出版社:創元社

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