『呪術廻戦』七海建人、人気の理由は“大人の格好良さ”にアリ 五条悟と対照的なキャラを考察
“大人”として生徒と向き合う五条と七海
そんな五条と七海の共通点として、大人と子どもを明確に線引きしている点が挙げられる。
2巻・第11話「ある夢想」にて、五条は死から目覚めた虎杖を交流会までに復学させようとする。家入硝子にその理由を尋ねられると「若人から青春を取り上げるなんて/許されていないんだよ」と話した。虎杖を若人として扱うことは、自身が大人側の人間であることを認識していなければできないだろう。ちなみに0巻にて乙骨憂太にも同じ台詞を口にしている。
対して七海は虎杖とはじめて任務をこなす際、強力な呪霊には自身が対峙し、虎杖には非力な呪霊の相手をさせた。自分がなめられたと思い不服な虎杖に、七海は次の言葉をかけた。
私は大人で君は子供/私には君を自分より優先する義務があります
七海も五条と同じく自身を“大人”だと認識したうえで“子ども”である虎杖と接していた。また死の間際、七海はマレーシアで余生を過ごす想像をしつつ、同行していた生徒・伏黒恵と禪院真希の安否を心配している。
おそらく生徒を思う背景はそれぞれに異なるものの、共通して“若人・子供”として生徒を見ていた五条と七海。夜蛾正道の言葉を借りるなら、死と隣り合わせであり、ときに呪いに殺された人を横目に呪いの肉を裂かねばならんこともある不快な仕事を、虎杖や伏黒、乙骨など、若い世代が担う本作の世界。そのなかで、しっかりと大人として振る舞っている大人だからこそ、五条と七海は読者からの人気や信頼を得ているのだろう。
死の直前に七海は“子供”である虎杖に、呪いになってしまうことを葛藤しながらも、自身の遺言を託した。七海の決断が大人として正解だったのかはわからない。ただ、このときのナナミンは虎杖を呪術師として認めていることはたしかだ。
■商品情報
『ARTFX J 呪術廻戦 七海建人 1/8スケール PVC製 塗装済み完成品 フィギュア 多色 PV039』
価格:12,890円
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会