バカボンのパパ、野比のび助、浅倉俊夫……国民的漫画に登場するお父さん、年収は一体いくらなの?
名作の漫画に登場する父親たち。家族に対して、温かく、時には厳しく、さまざまに表情を見せてくれていて、作品に彩りを与えてくれる存在だ。特に国民的な作品の父親像といえば、総じて家庭を持ち、一軒家に住みマイカーを乗るなど、総じて「良い暮らし」をしている印象がある。
そんな漫画の父親たちは一体どのくらいの年収を稼いでいるのか。作品に出てくる描写などから予想してみたい。
『あたしンち』お父さん
けらえいこ原作の漫画、『あたしンち』。立花家はお父さん、お母さん、みかん、ユズヒコの4人家族で、東京都田無市にある3DKのマンションで暮らしている。漫画内では子供部屋2つにリビング、夫婦の部屋が描かれていた。また、マイカーも持っている。
お父さんはサラリーマンで毎回出社する様子や、会社で机に座る描写は見られたが、実際になにをしているのかなどは一切わかっていない。お母さんが夕食を「ちくわ一つにする」「おかずがない」などと節約している。お母さんは内弁慶な性格から外で働くことができず専業主婦であることを考えるとそれなりの収入がありそうだ。
東京都田無市で3LDKマンションの値段は中古で2000~4000万程度。新築の場合、5000万円前後。ローンを組んでいるものと見られる。さらに子供たちの学費を考えると、出費はそれなりにあるだろう。
その堅実な性格から「公務員説」もあるお父さん。仮に公務員だとすると、650~750万程度の年収が有力だ。
『ドラえもん』野比のび助
野比のび太の父親で、現代人では考えられない猫型ロボットのドラえもんを子供同然の存在として育てる野比のび助。
非常に穏やかな性格で、画家になるという夢を持っていたのび助は、規模は不明であるものの、商事会社に勤務。自宅の2階建て3LDKの一軒家は東京都練馬区にあるとみられ、賃貸物件であることがわかっている。
賃貸物件サイトを見ると、東京都練馬区で2階建て3LDKの家賃は16万~24万程度。したがって野比のび助は最低でも520万前後の収入があるとみられる。さらにのび太の学費などを考えると、600~700前後の収入がありそうだ。
『タッチ』浅倉俊夫
高校野球と恋愛をテーマに、絶大な人気を誇る『タッチ』。ヒロイン浅倉南の父で、喫茶店「南風」を営んでいたのが、浅倉俊夫である。彼は妻に先立たれ、男手1人で南を育てている苦労人だった。
浅倉俊夫が住む家は、隣に住む上杉家と塀がなく、一緒の土地となっている。さらに南と上杉兄弟が使用する勉強部屋も共有されており、他人でありながら同じ敷地内に住んでいる。歪にも思える形態だが、作品内で理由が語られることはなかった。
南も手伝っていた浅倉俊夫の「南風」だが、これは1971年に創業し2020年に惜しまれつつ閉店した東京都練馬区の「喫茶アンデス」だといわれている。「喫茶アンデス」は地元民に親しまれ、ナポリタンやカレーなど、美味しい料理を提供することで有名だった。
推測ではあるが「南風」も浅倉俊夫が作る美味しい料理、さらには南がいるという要素もあり、それなりの売上を誇っていたものと見られる。地元民に愛されていたという前提と、広大な土地に家を持っていることを考えると、500~1000万程度の年収を得ていた可能性がある。
『天才バカボン』バカボンのパパ
ギャグ漫画の巨匠・赤塚不二夫の代表作『天才バカボン』。その中心的存在が、バカボンのパパだ。
バカボンのパパは妻とバカボン、そしてはじめちゃんの4人暮らし。一軒家に住んでおり、それなり広い家で、当然収入を必要とする。
しかしバカボンのパパは無職でどのように収入を得ているのかは不明だった。なおアニメでは「植木職人」という仕事に就くエピソードが追加されているが、これはアニメ化するうえで追加されたもので、赤塚氏はこれを不服としていたといわれている。
無職でもなにかしらの仕事をする描写もあり、年収は不明。「大地主のボンボンで働く必要がない」「実はちゃんと働いている」「植木職人ということになっている」「昔は天才だったので、莫大な利益を得た」など諸説あるが、詳細はやはり不明だ。仕事をしなくても生きている、「それでいいのだ」といったところか。
いい暮らしをするには金が必要になる世の中だが、漫画はそれがない。現実離れした世界が、人々の心を惹きつけるのかもしれない。