【漫画】Twitterで2.7万「いいね」を獲得 『特に仲が良いわけではない同僚が店を辞めるらしい話』が繊細で共感できすぎる

プライベートで別れがあった

――“同僚との別れ”が軸になっていますが、本作はどこから着想を得て、ストーリーに落とし込んだのですか?

ほし:制作当時、身のまわりで印象的な別れが続いたことが、本作を描くキッカケになりました。実際に別れた人のSNSを見ていると、「自分の知らない相手がそこにいる」と不思議な気分になり、そのことが心の中に常に引っかかっていました。

――SNSを見ると意外な一面を知れるので不思議な気分になるのはわかります。

ほし:そうですね。ただ、今回は最初から人間の多面性というテーマを強く意識していたわけではありません。ストーリーを練っている間に、普段から引っかかっていたこの部分を描いていた感じです。

――登場人物はどのように作り上げたのですか?

ほし:塩田は「引越し」「カフェバイト」「実は既婚者」「あまり親しくない」などの設定があるので、そこに当てはまる数人のモデルを組み合わせてベースを作り、描きながら行動パターンを決めました。ビジュアルは、キャラクターの性格から大きく逸れていないことを前提に、「個人的にこんな人がいたらかわいいな、素敵だな」「描くのが楽しそうだな」ということを意識して描きました。

根がポエマー

――「ちょっとだけ世界が違う人かなあ」など言葉選びが秀逸でした。

ほし:詳しいわけではないのですが詩が好きです。また、普段から思いついたフレーズは絶対すぐにメモを取るようにしています。何か曲を聴く時も、歌詞を読みながら聴くことが多いです。「自分は根がポエマーなんだよね」という話を編集さんや友人とよくします。そういった習慣があったからセリフに魅力を感じてもらえたのかなと思います。特に本作ではモノローグが書きたくて漫画を描いている部分があったので、今回は言葉選びに対する反応が多く嬉しかったです。

――Instagramのストーリーにメッセージを送ろうとしたけど、ハートを飛ばしただけ、という行動はアルアルでした。このラストで2人の距離感がハッキリと示され、とてもスッキリした終わり方になりました。

ほし:今の同年代やSNS世代の中で、SNSで気軽にメッセージを送れるかどうかというのは、その人との関係性を測る1つの物差しになっていると思います。今回は最終ページのモノローグが先に決まっていて、今回のSNSや関係性の密度などを考えた時にこの表現が上手くハマりました。

――最後に今後の目標など教えてください。

ほし:ひとまず「やれることをやっていこう」というのが現状です。言葉や人間関係における感情の機微、ストーリー作りに興味があるので、媒体や作品への関わり方もどのようになっていくのか、自分でも考えている最中です。現状は、こんな絵でもありがたいことに褒めていただけることが多いので、一生懸命描ける漫画を描いていきます!

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