『呪術廻戦』に刻まれた『BLEACH』の影響……連載初期から存在していた「詠唱」シーン

※本稿は『呪術廻戦』のネタバレに触れています。

 芥見下々による人気漫画『呪術廻戦』の連載が始まってから、およそ5年が経過した。物語が進むにつれて、その世界観はますます壮大さを増しており、読者を驚愕させるような新設定も明かされている。

 現在話題を呼んでいるのは、5月22日に『週刊少年ジャンプ』で掲載された第223話『人外魔境新宿決戦(1)』の内容だ。

 詳細は伏せるが、そこでは一般的な術式の発動プロセスについて解説が行われていた。本来は「呪詞」(じゅし)や「掌印」(しょういん)などの手順が必要なところを、省略して術式を発動できるのが、腕の立つ術師ということらしい。

 今まで作中では当然のように予備動作なしで術式が放たれていたが、どうやらそこには特殊な技術の裏付けがあったようだ。芥見は前々から久保帯人の代表作『BLEACH』へのリスペクトを公言していたが、同作の「詠唱破棄」から着想を得たのかもしれない。

 なお、読者の間では“詠唱”の概念が新登場したという反応も見られるが、実は今までにもごくまれに術師が詠唱を行うシーンが描かれていた。代表的なのが、結界術の「帳」(とばり)を使う場面だ。

 初期からさまざまなキャラクターが発動してきたが、その直前には決まって「闇より出でて闇より黒く」「その穢れを禊ぎ祓え」という言葉が詠まれている。

関連記事