可愛らしいけれど古い「女子学生」の絵がプロの添削で今風に! しかし「時代を追いかける」ことのリスクも指摘

 元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏が自身のYouTubeチャンネルで「【イラスト添削92】古い絵を新しくするには?  一見上手なイラストもプロが見れば…?」と題した動画を更新。視聴者から多くの反響が寄せられている。

 YouTubeにて、視聴者から寄せられた一見上手な漫画やイラストをプロの目線で細かく添削しているペガサスハイド氏。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かすアドバイスが心地よく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できるのが特徴だ。動画でイラストや漫画の添削を行うクリエイターは少なくないが、そのなかでも高い人気を誇り、チャンネル登録者数は15万人を超える。

 今回は「10代なのに懐かしい絵だと言われてしまう」という悩みを抱えた生夏さんから寄せられた、女子学生のイラストを添削することに。ハイド氏は冒頭、この絵を「華がある」と評価し、「『古い』という基準は誰から見るかによって変わる。全部が全部、今風に描けばいいものではなく、それよりも生夏さんが“誰のために、何のために、どうしたいか”が重要」と語った。クリエイターの個性を尊重する、ハイド氏らしい評価だ。

【イラスト添削92】古い絵を新しくするには? 一見上手なイラストもプロが見れば…?

 その上で、投稿者の悩みに応えるべく、「新しい感じの絵」にするポイントを解説していくハイド氏。詳しくは動画を見ていただきたいところだが、顔周りにおいては、往年の少女漫画によく見られる「四角形に近い丸い目と強調されたまつ毛」と「いまはあまり見かけないヘアスタイル/カチューシャ」を指摘。その他、「鼻が大きい」ことや、「ヒョウタンのような形の口」など、今風のイラストではあまり使われない表現が多いようだ。

 ハイド氏は元の絵をトレースした上で、上記のポイントを意識して調整を進めていく。ペン入れ、トーン貼りも終えて完成した絵は、見事に今風の女子高生、というイメージになっている。プロの技術に驚かされるが、ハイド氏が言うように、「新しい絵」にシフトすることで失われるものもあり、華やかさや一目で気になるフックは元絵の方に軍配が上がるかもしれない。

「自分が表現したいことや描きたい世界を貫くことで、あなたが時代を追いかけるのではなく、時代があなたを追いかけてくることもある。自分が自分の絵の1番のファンになることを目指してください」

 というのが、ハイド氏のまとめだ。プロの視点で添削希望者の要望に応えつつ、しかし技術以上に、心構えや個性の伸ばし方についてじっくり語られた今回の動画。プロを目指すクリエイターにとっては、単純な「技術解説」以上に参考になり、絵を描かない視聴者にとっては「古い絵と新しい絵/漫画家やイラストレーターの個性」という気になるテーマについて知ることができる、有益な40分だった。

■参考動画 https://www.youtube.com/watch?v=e6xlvyfczoA

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