注目の俊英・岩井圭也が挑む、サイエンス×ミステリ! 小説『最後の鑑定人』発売

 『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し本格的に小説家デビューをした岩井圭也。その後も『藍と茜』 や『あの夏へ還る』、『夏の陰』『プリズン・ドクター』『水よ踊れ』など注目作を生み出し続ける中、『最後の鑑定人』(KADOKAWA)が7月29日に発売された。本書はサイエンスとミステリが絡む「遺された痕」「愚者の炎」「死人に訊け」「風化した夜」が収録された注目作。現在最も話題性の高いテーマと言える内容だ。ぜひ一読をおすすめする。

あらすじ

「科学は噓をつかない。噓をつくのは、いつだって人間です」
科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物なら他の誰にも鑑定できない」と言わしめた男・土門誠。ある事件をきっかけに科捜研を辞めた土門は、民間の鑑定所を開設する。無駄を嫌い、余計な話は一切しないという奇人ながら、その群を抜いた能力により持ち込まれる不可解な事件を実験データから読み解く。科学鑑定が暴くものは、事件の真相か、人間の心か。圧巻のエンターテインメント!

収録作

遺された痕/愚者の炎/死人に訊け/風化した夜

・遺された痕――殺人事件の容疑者を調べた二種のDNA 鑑定書が持ち込まれる。一方は容疑者が犯人であることを示し、他方は彼が犯人でないことを明らかにしていた。

・愚者の炎――技能実習生として縫製工場で働く七人のベトナム人が住む家から火の手が上がる。犯人は住民の一人で、出火直後に自ら通報してきた。完全黙秘を貫く彼の動機とは。

・死人に訊け――海から引き揚げられた自動車に白骨遺体が見つかる。警察の依頼を受けた土門は、停滞する捜査を進展させ、さらに手掛かりを得るため科警研を巻き込むが……。

・風化した夜――亡くなった娘の遺品鑑定を受けた土門は、いつになく動揺する。娘の葉留佳は元刑事で、科捜研時代の土門も関わった「ある事件」の後に、警察を退職していた。

※上記4作のほかに、書籍のオビに印刷された二次元コードから未収録短篇「見えない引き金」を2023年7月31日(月)まで公開。電子版には特典として収録。

著者プロフィール

岩井圭也(いわい けいや)
1987 年生まれ。大阪府出身。現在は神奈川県在住。北海道大学大学院脳学院修了。2018 年「永遠についての証明」で第9 回野性時代フロンティア文学賞を受賞。その他の著書に『夏の陰』『プリズン・ドクター』『文身』『水よ踊れ』『この夜が明ければ』『竜血の山』『生者のポエトリー』がある。

書誌情報

『最後の鑑定人』
著者:岩井圭也
発売:2022年7月29日(金)※電子書籍同日配信予定
定価:本体1,700円+税
体裁:四六判並製 単行本
頁数:280頁
装画:ゲレンデ
装丁:坂詰佳苗
ISBN:9784041111673
発行:株式会社KADOKAWA
初出:「小説 野性時代」2020 年12月号(「遺された痕」)、「小説 野性時代」2021 年4月号(「愚者の炎」)、他は書き下ろし。
詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000439/

関連記事