【漫画】対照的な女子高生ふたりがホワイトデーに意気投合? ほろ苦くも爽やかなシスターフッド作品が話題

「誰かに読んでもらいたい」

――現在の制作状況をお聞かせください。

保スカ:普段は会社員をしながら、日常で思いついたことをメモして、休日にまとめてネームを作成しています。絵を描き始めたのは中学生くらいのころで、友達と交換ノートを始め、そこからイラストや漫画を描くようになりました。

――本格的に漫画制作を始めたキッカケについても教えてください。

保スカ:高校生の時に初めて漫画を仕上げました。そこで「誰かに読んでもらいたい」と感じ、思い切って出版社に投稿しました。結果的には、小さな賞をいただき、その後は編集の方から漫画制作の基礎を教えてもらいました。

――そんあなかで、影響を受けた作品はありますか?

保スカ:影響を受けた作品は、高河ゆん先生の『アーシアン』、TONO先生の『ダスク・ストーリー』が大きいです。漫画の面白さに目覚めたのは、父親の本棚にあった浦沢直樹先生の『MONSTER』を読んでからです。

姪っ子の会話がキッカケ

――『ホワイトデーなんて甘い』制作の経緯をお聞かせください。

保スカ:もともとは小学生の姪っ子たちから着想を得ました。幼いながらも様々な悩みを抱えており、話を聞くうちに「自分がこの子たちの時期はどうだったかな?」と思い返したことがキッカケです。

――保スカさんはどのような子供だったのですか?

保スカ:学生時代は窮屈だったり、他人と分かり合えなかったり、偏見があったりと、様々な葛藤を抱えていました。ですので、「同じように悩んでいる人がいるのであれば、少しだけ肩の力が抜けるような作品を描きたいな」と思って本作を描きました。

――科撫律、山村陽菜の二人は、一見わかりやすいキャラクターながら、抱えている悩みや本心がとてもリアルです。どのように作り上げたのですか?

保スカ:科撫律はクールで自分の感情をあまり出さない友人から着想を得ました。そこから「クールさとは?」「どのくらい自分の性格を自覚している?」などを作りこみ、悩みを打ち明けられないプライドの高さを加えました。山村陽菜は科撫律とは逆の性格を意識しました。私はたまに人との会話の中で、「今のはどういう意味だろう?」と考えることがあるので、そういったことがキャラクターの作り込みに繋がっていると思います。

――ほぼベンチでの会話劇でしたが、1つのシチュエーションにした狙いを教えてください。

保スカ:会話をしている2人は普段は接点のないクラスメイトですので、「どちらかがベンチを離れたら途端にぎこちなくなるだろうな」と思い、そのまま会話劇に終始しました。「顔と名前は知ってるけれど、初めて二人で話す機会」は新鮮かつ緊張感がありますので、その雰囲気を感じてもらえると嬉しいです。

――最後に今後どのように漫画制作を展開していきたいですか?

保スカ:今まで題材にしてこなかったものや新しいジャンルにも挑戦していきたいです。現在は電子書籍で作品を配信中です。各電子書籍配信サイトで「保スカ」と検索すると出てきますので、機会がありましたらよろしくお願いします。

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