一見上手なイラストなのに……言語化できない違和感を解消する、プロイラストレーターの視点がスゴい

 プロを志すイラストレーターの卵は、作業をする上で「何か違うなぁ」と、言語化できない違和感を覚えることがあるだろう。その「何か」を突き止め、理解しなければ修正することは難しく、人によっては成長を素材するボトルネックになってしまいかねない。

 そんな「何か違うなぁ」という部分を、しっかり言語化して伝えてくれるのが、「ポケモンカード公認イラストレーター」としても活動するさいとうなおき氏だ。さいとう氏は視聴者のイラストに対して上達のためのアドバイスを送る「気まぐれ添削」と題した動画を、YouTubeで発信している。チャンネルは2019年10月1日に誕生し、以降、着実にファン数を拡大、現在では登録者数93万人超を誇る(※3月28日確認時)。

 3月26日に公開された「【気まぐれ添削88】解説!キャラデザのポイント!!」との動画では、視聴者から寄せられた「何か違う」がすっきりと解消された。取り上げられたのはPN.かずたろうさんの作品で、タイトルは「夜の和の国」。かずたろうさんは「添削して欲しいポイントはイラスト全体の空気感や背景部分の奥行きです。どれだけ描いても納得がいきません」と相談してきた。まさに、何が良くないのか自分自身理解できていない状態だ。

【気まぐれ添削88】解説!キャラデザのポイント!!

 イラストを受け、さいとう氏はまず「めちゃくちゃ魅力的なキャラですよね。目指す方向が明確なので、これからどんどん上手くなると思います」と称賛した。その上で指摘したポイントは「奥行きはすでに表現できています。この絵の問題は奥行きではなく、『背景を見せたいのかキャラを見せたいのか』どっちつかずになっている」という内容だ。

 今回、さいとう氏はキャラが非常に魅力的に描けているので、このキャラにスポットを当てつつ、背景・構図を調整していった。まずこのイラストで1番に目がいってしまうのは、夜空に輝く月だろう。さいとう氏は「せっかくキャラがよく描けているのに月に目がいってしまうのはもったいない」と言って、構図を修正。これにより、はっきりとキャラクターの存在感が増した。

関連記事