『東京リベンジャーズ』なぜ18歳成人PRに起用された? 物語のテーマから考察
※本稿は『東京卍リベンジャーズ』のネタバレを含みます。
2022年4月より、140年ぶりに成年年齢が18歳に引き下げられる。その周知キャンペーンとして政府広報が『東京リベンジャーズ』とコラボし、1月7日よりTVCMやWeb動画が公開されている。TVCMやWeb動画では『東京リベンジャーズ』のキャラクターが登場し、成年年齢引き下げの意義や注意点を訴えている。さらにポスターには同キャンペーンオリジナルの描き下ろしビジュアルを採用。武道、マイキー、三ツ谷、千冬、ヒナといった主要キャラたちが成人したことを思わせる紋付袴姿や振袖姿を披露している。SNS上では賛否両論があるものの、話題になっていることは間違いないコラボだ。
公式サイトを見ると、『東京リベンジャーズ』とコラボをした理由として「『立ち向かえば、自分たちが望む未来は必ず手に入る』。この物語の中心にある、そんな背中を押されるような熱いメッセージは、『成年年齢の引下げ』に込められた想いと通じます」とある。たしかに同作は、主人公の武道がヒナやマイキーなど、大切な人たちを救って幸福な未来を掴もうとタイムリープを繰り返しながら試行錯誤し、成長していく物語だ。さらに、思うような結果が出なくも武道は決して諦めないことがポイントではないだろうか。実際、武道はヒナを救うために9回もタイムリープしており、10回目のタイムリープでも「三天戦争」で大きな犠牲を払ってしまったもののマイキーを救うことを諦めていない。こうした物語の構成が、「新しい未来の可能性を応援したい」というキャンペーンの趣旨と合致したのだろう。
また、大前提として今年18歳を迎える若者に見てもらわないと同キャンペーンの意味がない。「まずは見てもらう」という狙いからも『東京リベンジャーズ』に白羽の矢が立ったのではないだろうか。というのも、全国の15歳〜24歳の男女を対象にした、LINEリサーチによる『最近流行っているコト・モノ・ヒト』2021年9月調査で、『東京リベンジャーズ』が1位を獲得しているからだ。実際注目を集めるということにおいては成功をしている上に、SNSなどに投稿されているティーン世代の意見を見てみると「わかりやすい」「見応えがあった」など、ポジティブな反応が少なくない。