ぜんぶ君のせいだ。如月愛海×もとちか襲が語り合う、互いに惹かれる理由 「人間としてずっと一緒にいられる」

“名前のない感情“に包まれてもらえたら嬉しい


――なかでも、お気に入りのショットはありますか?

襲:(ページをめくりながら)やっぱりどれもいいな。

愛海:私が一生好きって思えるのは、この古民家の縁側で撮ったシーンかな。バラバラに撮ったのに2人ともシンクロしていい目してるから。もう「8人ぐらい殺めた?」みたいな(笑)。添えられたテキストも詩的だから、受け取り側の意思でいろいろな想像ができると思うんですけど、この表情があるだけで相当ダークな展開を広げていけるというか。撮影したのは明るくてポカポカの昼だったんですけどね。そんな時間からこの顔が出せるというのは、相当修羅の道を……(笑)。

襲:この目線の先に、まるで死体が埋まってるみたいな。

愛海:本当にそれくらいの表情が一瞬で出たなと思っています。

襲:私は、この夜の散歩シーンのカットが好き。1番素っぽくて。ここで急にいつもの私たちの距離感が出てる。そういうのが、この本に入ってくることでちょっと落ち着く、じゃないけど。

愛海:私もすごく好き。このシーンで、やっと「ずっと一緒にいた2人なんだろうな」みたいなのが一瞬でわかる感じがあるよね。

――なかにはかなり肌を密着させた濡れ場シーンもありますよね。

愛海:メンバーも見たとき「ええ!」とか「いいの?」みたいな声を出していたんですけど、それがちょっと照れみたいに感じて(笑)。どっちかっていうと1人でこっそり見るような本だと思うんですよね。でも、単なるセクシャル要素のエロでもなくて。ただ私たちも「きれいだったね」という感想でも嬉しいんですけど、多分それじゃ満足しないというか(笑)。もしかしたらこれを手に取ってくださった方の中には「なんか変なの買っちゃったわ」っていう気持ちになるかもしれないんですけど、「それでいいです」って思っています。

襲:「なんか気持ち悪い」じゃないけど。

愛海:うん、むしろ気持ち悪くていいよね。“名前のない感情“。たぶん『朧』じゃないタイトルをつけるってなったら、それにしたかも!

襲:そういう謎の感情になってくれたら嬉しい(笑)。

愛海:だって、そんな感情を生む方が難しいと思うから。なんとも言えない感情になったり、苦しい感情になったら、1番最後のあとがきを見てもらえれば、「あー、ちゃんとフィクションなんだ」って、安心してもらえるのかなって思います。

――確かに、この2人の文通感ある手書きのあとがきに救われたというか、現実の世界に戻ってこられた感覚がありました(笑)。

愛海:そうです。これは私たちと見てくださった方の脳内で作った物語なんですよ、ってね(笑)。でも、このあとがきも「こういうことを書こう」って合わせたわけじゃないんですけど、なんとなくお互いのことを書く形に寄っているのも面白いですよね。

2022年、愛海はより自由に、襲は少しだけ大人に!?


――『朧』を作ったばかりではありますが、「この2人ならもっとこういうのが作れそうだな」という次回作のイメージなどは浮かびましたか?

愛海:ヤンキー漫画みたいなストーリーの本はできそうじゃない?

襲:うちらの隠れている部分みたいな?

愛海:隠れてはいないかもしれないけど(笑)。2人の共通部分で今回出していないところって考えたら、若干のヤンキー気質があるかなって。

襲:しかも、古いほうだよね。今どきじゃなくて、ちょっと平成初期らへんの。

愛海:『疾風伝説 特攻の拓』とか『GTO』とか(笑)。

襲:みんなに伝わってるのかな? 愛海のヤンキー素質は。

愛海:みんな、思っているより私をストイックにしてくるからね(笑)。本当は、みんなが想像しているよりもずっと「まいっか」で生きてるのに。そのコミカルさもいつか出せたらいいなとは思ってて。

襲:愛海は、この私ですら「本当に大丈夫?」って待ったを入れたくなるくらい、ゆるい時があるんですよ、本当に。

――そうなんですか? 私も愛海さんにはストイックなイメージがあります。

襲:生きることそのものにあまり執着がないというか。世間離れしてるというか。んー、例えば昨日もコンビニに一緒に行ったんですけど、愛海が20円のケチャップを100円出して買ったら、そのお釣りをパッと募金箱に入れてて。「いやいや、ケチャップ代よりも募金のほうが高くなってるじゃん!」ってツッコみました。そういうところがあるんですよ。自分の生活を考えずにポンとお金を出しちゃうみたいな。

愛海:別に募金して褒められたいわけでもないし、本当にごめんなさいですけど誰かを助けたいとかいう意欲でもなくて。なんていうか、ノリというか、なんの意味もなく「手から離れるもの」みたいな感じでお金を出しちゃうところはあるんですよね。それこそ「まいっか」って。

襲:本当に無関心というか。お金を自分のために使うより、人のために使ってることのほうが多いんじゃないかな。

愛海:「ありがとう」って言われても、「うん……」みたいな。別にありがとうが欲しくて払ってるわけじゃなくて、ただお金を出しただけだから。その感覚は自分でもちょっと説明するのが難しい。

襲:本当に君は面白いよね。

愛海:極論、自分の中で残るものって仕事しかないのかもしれないですね。ぜんぶ君のせいだ。をやっていく中で、「これはダメ」とか「これをやったら大変なことになっちゃう」はあるけど、プライベートの部分は本当にどうでもいい。

――だからこそ、“ぜんぶ君のせいだ。の如月愛海“を見ている私たちからしたら、人生をかけてストイックに生きているように見えるのかもしれないですね。

愛海:そうなんですかね。でも襲にも「どっか行っちゃいそう」って言われたみたいに、作品づくり以外ではなんにも固執していないところがあるから、襲の“かまってちゃん“はそばにいる理由になって相性がいいのかもしれない(笑)。

襲:もし愛海がどっか行くってなったら、そのままどっか行けるもんね。2人で。

愛海:よく言ってるよね。「今から湘南行く?」「深夜だけど行っちゃおっか!」「でも車ないじゃん!」みたいな(笑)。

襲:愛海は“ぜん君。のリーダーの如月愛海“っていうストッパーがなかったら、たぶんそういう生活していたと思う。フラッと旅立っちゃうみたいな。

――その“if”の世界線な2人のフォトストーリーブックも見てみたいですね。 

襲:それ、いいかも! 愛海に行き先を任せたら、どこに行くことになるか怖いけど(笑)。私はどちらかというと有名な観光地とか憧れの場所とか行きたい派ですけど、愛海はとんでもない秘境とか言い出しそう!

愛海:めっちゃ秘境に行きたい! よくわからない山奥の温泉とか。誰も足を踏み入れたがらないような場所に!

襲:「え、風呂? ないけど?」みたいな展開もあったりして(笑)。

――結構、冒険したがりなんですね。

愛海:「知りたい」っていう欲求は強いかもしれないですね。振り返ると、ぜんぶ君のせいだ。も7年目。こんなに長いこと真面目に生きてきたから、ちょっと不真面目になってもいいかなって思い始めています。今まではぜん君。を守ることに必死だったけど、メンバーも大人になっていくし、もっと柔軟になって、もっと自由にいきていいのかなって。

襲:そのためにも私は、いい意味で初心者感を脱却したいです。もう2年目に突入したからあまちゃんじゃいられないんだろうなみたいな感じが自分の中にもあって。とはいえ、根本のところは変わらないので。ちょっとは成長したじゃないけど、「4歳になったね」くらいは言われたいなって。

愛海:でもこれだけライブで多くの人に会って見せる機会があると、普通の人からしたらその「4歳」って本当は「58歳」くらいかもよ?

襲:いやいや、達観し過ぎでしょ(笑)。

愛海:じゃあ、襲の成長に期待して、私は安心して幼児返りさせてもらうね!

■書籍情報
如月愛海 / もとちか襲著 PHOTO STORY BOOK「朧」
著者:如月愛海 / もとちか襲
発売日:2022年1月19日(水)
品番:CMB-011
価格:¥2,500-(税抜) ¥2,750-(税込)

■ 如月愛海 / もとちか襲著 PHOTO STORY BOOK「朧」リリースイベント日程
2022/02/05(土)18:00〜 愛知名古屋某店
2022/02/06(日)18:00〜 大阪某店

■ぜんぶ君のせいだ。 プロフィール
病みかわいいをヴィジュアルコンセプトとするユニット「ぜんぶ君のせいだ。」如月愛海(きさらぎめぐみ)・征之丞十五時(ゆきのじょうおやつ)・甘福氐 喑(あまねち あん)・もとちか襲(もとちか かさね)・雫ふふ(しずくふふ)・メイユイメイ・个喆(こてつ)からなるユニット。
人間(おんなやおとこや色々と)なら誰しも心の奥底にある感情(病み部分)を、毒+可愛らしくアナーキーに表現する事を信条とするつもり。POPにバカばかしく、ロックにふんわりと、病みかわいいってなんだっけ…? 刻め(響け)轟け!かおてぃっくやみかわサウンド!
ぜんぶ君のせいだ。公式サイト:http://kiminosei.com
ぜんぶ君のせいだ。公式Twitter:https://twitter.com/zenbukiminosei

■如月愛海×もとちか襲チェキプレゼント

如月愛海×もとちか襲のチェキを3名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。


【応募方法】
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<応募締切>
2月13日(日)

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