BTS、グループ“世界初”の快挙 テイラー・スウィフト、バッド・バニーらに共通する世界的ヒットの条件とは

バッド・バニーが示す、世界ヒットと言語の壁

 一方、英語圏のポップスターとは異なる形で世界的な人気を獲得しているのが、プエルトリコ出身のバッド・バニーである。Spotifyの2025年年間ランキングでは198億回の再生を記録し、世界で最も再生されたアーティストに選ばれた(※3)。年間世界1位となるのは2020年、2021年、2022年に続いて4度目。4度の首位獲得はSpotify史上初となった。最新アルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』も年間のグローバルトップアルバムに輝いた(※4)。

 バッド・バニーの成功が示すのは、“英語で歌うこと”が世界的なヒットの絶対条件ではないという点だ。スペイン語を軸にした楽曲でありながら、ラテン音楽のリズムや文化的な背景を保ちつつ、世界各地のリスナーを獲得している。2025年には『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』の楽曲群が広く聴かれ、アルバム単位でも存在感を示したのだ。

BAD BUNNY - DtMF (Visualizer) | DeBÍ TiRAR MáS FOToS

 これは、ストリーミングが音楽との出会い方を変えたことも関係しているだろう。もちろん、言語の壁が完全になくなったわけではないが、音楽のリズムやサウンド、アーティストの個性が国境を越えて届く可能性は、以前よりも広がっていると言える。

 BTSもまた、韓国語を中心に据えた『ARIRANG』という作品をもって、年間100億回再生を突破した。バッド・バニーとBTSは音楽性もファン文化も異なるが、特定の言語圏の人気にとどまらず、世界各地にリスナーを持つ点では共通している。

BTSの100億回再生から見える“聴かれ続ける”条件

 ここまでの事例を並べると、年間100億回再生に到達するアーティストには、いくつかの共通点が見えてくる。

 第一に、新作をリリースしたときに世界規模でリスナーの関心を集められること。第二に、新作の話題が落ち着いても聴かれ続けるカタログを持っていること。そして第三に、ライブや映像作品、メディア露出、SNSなど、音楽を再び聴くきっかけが途切れないことだ。

 ただし、“100億回”という数字を、そのままファンの人数や人気の大きさに結びつけることには注意が必要である。Spotifyの年間再生回数は、あくまで同サービス内での音楽消費を示す指標であって、フィジカル作品の売り上げやライブの動員などまでを含めた総合的な人気を示すものではない。とはいえ、世界中のリスナーがどのアーティストの音楽を日常的に選んでいるかを考えるうえで、重要な手掛かりになることは間違いない。

BTS (방탄소년단) '2.0' Official MV

 BTSが今回達成した記録の特別さは、年間100億回再生という水準に到達したことだけではない。テイラー・スウィフトやアリアナ・グランデ、バッド・バニーといったソロアーティストが築いてきた領域に、“グループとして初めて到達した点”にあると言えるだろう。それは、新作『ARIRANG』の爆発的なヒットに加え、現在開催しているワールドツアーと世界各地に広がるファンの存在、これまで積み重ねてきたメンバーたちの活動の力があってこその結果だと言えるだろう。

※1:https://newsroom.spotify.com/2023-11-29/top-songs-artists-podcasts-albums-trends-2023/
※2:https://newsroom.spotify.com/2024-12-04/top-songs-artists-podcasts-audiobooks-albums-trends-2024/
※3:https://newsroom.spotify.com/2025-12-03/wrapped-bad-bunny-top-artist-album/
※4:https://newsroom.spotify.com/2025-12-03/wrapped-top-artists-songs-albums-podcasts-audiobooks/

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