NewJeansと重なる勢い! 少女時代、aespa生んだイ・スマン プロデュース A2O LITEが打ち出す“温故知新”のK-POP
2026年10月13日、イ・スマン氏が手がける9人組ガールズグループ、A2O LITEがデジタルシングル「NEON」でデビューした。韓国の音楽配信サービスMelonでは、リリースから29時間でメインチャート「TOP100」の1位を獲得。新人グループがデビュー曲で、同チャート1位になったのはNewJeans、ILLIT、Allday Projectに続き4組目。デビュー直後から大きな注目を集めている。
平均年齢14.9歳。韓国、日本、中国、タイ、アメリカにルーツを持つ彼女たちが掲げるのは、Z世代とα世代を組み合わせた造語「Zalpha Pop」。若い世代をターゲットに据え、音楽だけでなくビジュアルやパフォーマンス、世界観を含めてグループの個性を打ち出している。
イ・スマンとは? 数々の人気グループを生んだプロデュースの系譜
イ・スマンは、1995年にSMエンタテインメントを設立し、K-POPの世界的な発展を支えてきたプロデューサーの一人だ。東方神起や少女時代、EXO、NCT、aespaなど、音楽性やコンセプトに独自性を持つグループを数多く世に送り出してきた。
その特徴は、楽曲やパフォーマンスだけでなく、グループを取り巻く世界観や仕組みまで設計してきた点にある。EXOは惑星や超能力をモチーフにした設定、NCTは拡張性を持つグループ構想、aespaはアバターや仮想世界を取り入れた世界観を展開。音楽に物語やテクノロジーを組み合わせ、アイドルの表現領域を広げてきた。
2023年にSMエンタテインメントを離れた同氏は、A2Oエンターテインメントを設立した。これまで培ってきたプロデュースの手法が、新たなグループにどう生かされているのかに注目したい。
懐かしくも新しい、A2O LITEが体現する「K-POPらしさ」
A2O LITEの「NEON」で印象的なのは、どこか懐かしさを感じさせるK-POPらしさと、近未来的なビジュアル表現の融合だ。
ILLITやKiiiKiiiら第五世代のグループが、メンバーを含む世の中の若者の自然体な姿や親しみやすさを打ち出す一方、A2O LITEは作り込まれたビジュアルと世界観で、誰もが憧れるカリスマ的なアイドル像を描いている。そんな人工的な設計は、現行K-POPに見られるY2Kやレトロをキーワードにしたカジュアルなスタイルとは対照的に、近未来SFを思わせる演出やスタイリングにも表れている。
衣装には、IVEなどの衣装も手がける韓国ブランド「OJOS」を起用。さらに、MVのクリエイティブディレクターは、アイウェアブランド「GENTLE MONSTER」やアートカフェ「NUDAKE」を手がけるハ・イェジンが担当。古き良きK-POPが持つ華やかさや憧れを、現代のファッションやアートを通じて再構築している点も特徴だ。
この世界観をパフォーマンス面から印象づけるのが、XILI(シリ)とグループ最年少の13歳のAIJING(アイチン)によるイントロのペアダンス。有名ダンサーのJ-Blackが振付を手がけたこのパートでは、素早く細かな動きを息の合ったコンビネーションで繰り出す。J-Blackによると、通常は振付の難易度を下げるよう求められることもあるが、今回は反対に「もっと難しくしてほしい」という要望があったという。振付の難しさそのものを見どころにする姿勢、それを完璧に仕上げてくるメンバーの努力はK-POPが持つ完全無欠の美学を象徴していると同時に、A2O LITEの世界観を構築するに欠かせない要素だろう。
A2O LITEに見るイ・スマン氏の戦略
ここで注目したいのが、aespaとA2O LITEに共通する、SF的な世界観の構築だ。
aespaはアバターや仮想世界を取り入れた設定「KWANGYA」を通じて、現実のメンバーの活動と架空の物語を結びつけてきた。一方、A2O LITEもA2O SOUL(イ・スマンが手掛けるボーイズグループ)と共通の世界観「ACE(A2O Cosmic Epic)」を持ち、架空の惑星「SOULITE」を舞台に物語を展開する。いずれも、楽曲やダンスだけでなく、グループを取り巻く設定そのものを魅力として提示している。
こうした共通点からは、SF的な発想を音楽やビジュアルに取り入れ、アーティスト独自の世界を構築するプロデュース手法が、A2O LITEにも引き継がれている可能性がうかがえる。実際、「NEON」MVのコメント欄にはイ・スマンが手がけた過去グループを想起したという声や、旧来のK-POPらしさを賞賛する声も寄せられている。
イ・スマンが築き上げた“K-POP”の歴史を参照しながらも、最先端のクリエイターやカルチャーを取り込み、メンバーの圧倒的なスキルで現行シーンに新風を吹き込んだA2O LITE。彼女たちが提示する「Zalpha Pop」は、次世代K-POPにどのような影響をもたらしていくのだろうか。
























