NOA、3rdアルバム『CLEAN+NOISE』全曲披露ライブで広げた新たな旅路 刻み込む“本当の本音”
10月23日、東京・Spotify O-EASTにてNOAのスペシャルライブ『NOA Special Live「CLEAN+NOISE=」』が開催された。本公演は、10月28日にリリースされる約2年半ぶりの3rdアルバム『CLEAN+NOISE』の発売5日前に行われたもの。NOAはこの日、まだ音盤として世に出ていない作品も含め、収録曲全10曲をすべて披露した。
定刻になり、暗転した会場に英語のナレーションによるオープニングムービーが流れたあと、全身黒い衣装をまとったNOAがひとりでステージに登場。1曲目として、歪んだ重低音のベースとメランコリックなピアノのメロディが印象的な「MISFIT」を披露した。続いて、スムースなR&Bチューン「Still Got Time」では、時計の映像を背にTEAM NOAのダンサー陣が加わり、息の合ったダンスで会場の目を釘付けにした。
同曲の終盤、ステージのカーテンが閉まり、雨音とピアノのSEが流れると、場面は一転。ステージ向かって右手のサブステージにNOAが姿を現すと、会場は大きな歓声に包まれた。そこには部屋を模したセット。ソファに腰掛けたNOAは、「is this love?」をしっとりと歌い上げ、そのままシームレスに「lovelite」へ。アコースティックギターのエキゾチックな調べと歌声が心地好く響くなか、やがてライトが落ちて、NOAと女性が抱き合うシルエットが浮かび上がると、再び歓声が巻き起こった。
その後、VTRを挟んで中央のステージに戻ったNOAは、レゲトンのリズムに乗せて恋愛の曖昧さを描く「Last Kiss」を披露。アウトロでのNOAと女性ダンサーによるペアダンスに会場が沸いた。
オープニングから5曲を歌い終えたあと、ここでNOAは、この日最初のMC。観客にあいさつしたあと、続けて、初めて披露する曲ばかりでソワソワしていることを明かし、『CLEAN+NOISE』とともに新たな一歩が始まる実感を口にした。そして、一度ステージを離れ、ほどなくしてエレキギターを抱えて戻ってくると、「ここからは2曲、アルバムから披露したいと思います」と語ったうえで、2曲目にはみんなで一緒に歌えるパートがあると説明。「ぜひ一緒に歌ってもらえたら嬉しいです」と呼びかける。まずはミッドテンポの「Never」を自らのギター演奏とともに届けた。ポップパンク調の「Shine Bright」でも、引き続きギターを演奏。曲がサビに差し掛かると、NOAの呼びかけに応えるように客席からコールアンドレスポンスが巻き起こった。
ただ、そのあとのMCでNOAは、この2曲でのギター演奏を振り返り、「たぶん、今回の(ライブの)練習のなかでいちばん下手だった(笑)」と反省の言葉を口にした。それでもすぐに気を取り直し、「伸びしろしかない!」と語って会場を笑わせると、「この場を本当に、クラブのように、パーティーのように、皆さんと楽しんでいきたい」と宣言。ファンキーなディスコチューン「100」でライブを再開すると、重低音がきいた四つ打ちのビートに合わせて、TEAM NOAとともにダイナミックなダンスパフォーマンスで会場を魅了した。
次にTEAM NOAによるダンスパートを挟んだあと、白い衣装に着替えたNOAは、トラップやジャージークラブのビートを取り入れた「WE ALL READY」を披露。赤や青のレーザーが乱れ飛ぶ見応えのある照明演出もあり、ここでライブの盛り上がりは最高潮に達した。
こうして迎えたライブ終盤、NOAはMCで「皆さんは今日この場で初めて(アルバムの曲を)聴いているわけで、パフォーマンスも含めて、正直、情報量がすごく多いと思う」と語りかける。「今考えていることを少しでも共有したい」と、アルバムを作った理由について話し始めた。そこでまず振り返ったのは、光と闇をテーマにした昨年の5周年ライブ『LiGHTS』のこと。「どんなに闇の時も、みんなの前に立っている時は光であるべきだと思っていた」というNOAは、いつしか、本当にそれが自分なのかと迷い始めたことを明かした。さらに、SNSが発達した今の時代は自分を失うことが本当に簡単だと感じたと口にする。「自分の闇の部分を共有したら、みんながまた共感してくれるんじゃないか」という思いから『LiGHTS』を作り上げ、その流れで今回のアルバムを作ったと続ける。
NOAは、「今までの曲も大好きだし、一生大切な思い出。ただ、自分のなかできれいにしすぎていた――。きれいにする作業で削ぎ落としていた部分が、本当の自分の本音だった」と告白する。そして、その過程で自問自答を繰り返し、落ち込んだ時には「やめたほうがいいのかなと思ったこともあった」と打ち明けた。それでも、ファンから届くメッセージに支えられ、「皆さんの日々のなかで少しでもその光になっているんだったら、僕はずっとそうでありたい」とも。加えて、今回のアルバム制作については「正直、すごくしんどかった」としながらも、「そのくらい自分のなかを見つめ直したというか。だからこそ、出てきたメッセージもいっぱいある」と、新作に込めた思いを伝えた。
そして、MCの最後には、本編のラストを飾る「Slow Motion」を「今この瞬間だけは、少しでもあなたと一緒にいたいという曲」と紹介し、その気持ちは今この会場で観客を前にして抱いている感情とも通じると付け加えた。幻想的なシンセとエモーショナルなギターが重なり合う壮大なバラードを、満天の星空の映像を背に、青いサーチライトと白いスポットライトに照らされながら歌い切ったNOAは、「今日は本当にありがとうございました」と告げてステージをあとにした。
アンコールでは、「RED ZONE」や「between」、「Paradise」、「Highway」を披露したあと、12月に開催するビルボードライブツアー『NOA Billboard LIVE 2026 “GLOW&NOISE”』の開催を発表。『CLEAN+NOISE』の収録曲をバンドアレンジで届けるという同ツアーについて、NOAは「しっかり年末らしく、クリスマスらしく、皆さんとあたたかい雰囲気のなかで素敵な時間を過ごそうと思っています」と意気込みを語った。
また、「自分が今見えている光に向かって、今からもっともっと走っていく」という目標を掲げたうえで、「僕も諦めないし、みんなも、もし夢だったり目標があったら、諦めないでほしい」と呼びかけると、最後はひとりでステージに立ち、「Red Light」でこの日の公演を締め括った。
この日最初のMCでNOAは、公演名の『=』がアルバム名の“足し算”を表していると説明し、「その『=』の先に何があるのかを、いち早く皆さんに見ていただきたくて、今日はこの場を準備しました」と話していた。その言葉どおり、この公演は、リリース前の10曲を通して、“CLEAN”と“NOISE”を足した先にあるものを観客とともに確かめる一夜となった。
そんな一夜の終わりに、NOAが「これから始まる『CLEAN+NOISE』というチャプターとともに、いろいろな旅をして、いろいろな景色を見ていきましょう」と観客に語りかけていたことも強く印象に残った。その旅の先でNOAがどんな景色を見せてくれるのか、引き続き注目していきたい。