今井寿 61歳の誕生日 岡村靖幸、奥田民生、吉川晃司……表現の場を広げ続ける1965年生まれアーティストたち

 名神高速道路が全線開通し、カラーテレビ、クーラー、自動車の“3C”が普及し、加山雄三の『君といつまでも』が大ヒットした1965年。高度経済成長期のいざなぎ景気の中で生まれたギタリスト・今井寿が、10月21日に61歳を迎えた。

 ロックバンド・BUCK∞TICK(当時はBUCK-TICK表記)のギタリストとして、1987年にメジャーデビューした今井。ギタリストでありながらもギターらしくない音をも鳴らし、不協和音や独自のストロークといった唯一無二のプレイスタイルでバンドの個性を決定付けた。2004年にはKiyoshi(Gt/Vo)、岡崎達成(Dr/Vo)らとロックバンド・Lucyを結成。“ロケン”(=ロックンロール)を標榜するLucyのサウンドはいわゆるロックンロール。気持ちのいいギターがぐいぐいとドライブしていくようなLucyの楽曲は、BUCK∞TICKの志向するサウンドとは異なるアプローチの作風であり、今井の音楽的な引き出しの多さに驚かされる。そんなLucyが今年の4月から20年ぶりに再始動。ニューアルバム『ROCKAROLLICA Ⅲ』をリリースし、ツアー『Lucy Show 003 ~Shout, Speed, Shake Your Rockarollica~』を開催、全8会場9公演を巡ってその健在ぶりを全国に知らしめた。来年1月にはLucyの20年の軌跡と再始動の記録をたどる展示会『LUCY SHOW ―AFTER― 〜Shout, Speed, Shake Your Memories〜』を東京・下北沢にて開催予定。展示会最終日の翌日には、同会場にて開催記念ライブの開催も予定されている。BUCK∞TICKとして、そしてLucyとしての今井の活躍に目が離せそうにない。

Lucy /「からっぽの宇宙.」MUSIC VIDEO

 1986年にシングル『Out of Blue』でメジャーデビューした岡村靖幸も1965年生まれ。キャリアの中でさまざまなアーティストとのコラボも印象的な岡村だが、近年では斉藤和義とのユニット・岡村和義が印象深い。2020年1月のラジオ番組での共演とその番組中に即興セッションで制作した楽曲「春、白濁」をきっかけに結成された岡村和義は、一過性のコラボレーションにとどまらず、2度のライブツアーやテレビ出演、配信シングルとしては7曲、さらにアルバムもリリースするなど、濃密な活動を展開している。昨年秋には1年半ぶりとなる楽曲「愛の匂い」をシングルリリース。この10月には、ゴダイゴが開催した『Godiego FEST 2026』に出演。堺正章やCharといった錚々たる面々とともに、ゴダイゴの記念すべき一夜に華を添えた。ほかにも、今年9月には岡村靖幸として、Base Ball Bearの主催ライブ『SHIBUYA NONFICTION Ⅲ』にゲスト出演。小出祐介とともにリリースした「愛はおしゃれじゃない」をBase Ball Bearと披露した。ファンのみならず、さまざまなアーティストからも熱い支持を集める岡村の存在感を感じる1年となった。来年1月からはソロでの全国ツアーも予定されており、なおアグレッシブな活躍が楽しみだ。

岡村和義 – 「愛の匂い」MUSIC VIDEO

 1987年にユニコーンのボーカリストとしてメジャーデビューし、ソロシンガー、プロデューサーとしても精力的に活動する奥田民生も1965年生まれだ。近年では、同い歳で広島出身の吉川晃司とユニット・Ooochie Koochieを結成。お互いに還暦を迎えた昨年は、日本武道館公演を含む全国7カ所9公演のツアー『Ooochie Koochie TOUR』を開催。広島からスタートしたツアーを大晦日に広島で締めくくるという、奥田と吉川らしいツアーとなった。今年は、ソロとして『東京スカパラダイスオーケストラ ライブハウスTOUR「VerSus Carnival」』や、くるり主催の音楽フェス『京都音楽博覧会2026 in 梅小路公園』へ出演しただけでなく、12月にはムーンライダーズのデビュー50周年を記念して開催される『moonriders 50th anniversary "THE SUPER MOON" SHOW』へのゲスト出演も決定している。そのマルチな才能、そして豊かな音楽性で、ファンだけでなくアーティストすらも虜にしてしまう奥田の存在感は唯一無二の魅力だと言えるだろう。また、吉川は今年、全国ツアー『KIKKAWA KOJI LIVE 2026 Higher and Higher Tour』を開催。ファイナル公演は、10月16日、17日に東京・国立代々木競技場 第一体育館で行われたばかり。ソロとユニットの活動を両立しながら、自身のロックを鳴らし続けている。

Ooochie Koochie 「OK」Lyric Video

 本稿では、1965年生まれのアーティストたちをピックアップして紹介した。キャリアを重ねた今も積極的にリリースやツアー、他アーティストとのコラボレーション、新たなプロジェクトに果敢に取り組む彼らの姿は、音楽家として新たな扉を開き続けようという気概に溢れている。

松本孝弘、JIRO(GLAY)、tetsuya(L'Arc-en-Ciel)、今井寿(BUCK∞TICK)ら複数のフィールドで輝くアーティストたち

B'zの松本孝弘がスーパーロックグループ・TMG(Tak Matsumoto Group)として、ツアー『TMG LIVE 20…

奥田民生、宮本浩次、岡村靖幸、玉置浩二、布袋寅泰……多彩な楽曲提供で作家としての魅力を放つアーティストたち

奥田民生が木村拓哉のニューアルバム『Checkpoint』に楽曲提供で参加。奥田といえばPUFFYの「アジアの純真」をはじめ、西…

関連記事