ピノキオピー×ウ山あまね(PAS TASTA)対談 シニカルだけど「ポップから逃げない」互いの共通点と影響源

コラボ楽曲「B.B.M. feat. ピノキオピー」はなぜ“バイレファンキ”だったのか

ーーその後、2023年の『NIGHT HIKE』でもピノキオピーさんとPAS TASTAは共演されていますね。

ウ山あまね:当時、僕らはEDMにすごくハマっていて、DJセットでマーティン・ギャリックス(Martin Garrix)の「Animals」を流したんです。そうしたらピノさんが「いま『Animals』を流すのが本当によかった」と褒めてくださって。あれはめちゃくちゃ嬉しかったですね。

ピノキオピー:あれは最高でしたね。あえて尖り切ることもできるのに、純粋に「一番踊れるストレートなEDM、実際めっちゃいいよね!」という熱量でフロアを爆発させていた。その表裏のない感覚や、ストレートな良さを全肯定する姿勢がすごく信頼できるなと思ったんです。

ウ山あまね:当時は「でも、これめちゃくちゃ良くない?」と素直にフロアに提示する感覚でしたね。ピノさんにそう言っていただけたことで、自分たちの感覚は間違っていなかったと大きな自信になりました。

PAS TASTA - B.B.M. ft. ピノキオピー

ーーそして2024年には、PAS TASTAの楽曲「B.B.M. feat. ピノキオピー」で正式なコラボレーションが実現しました。このオファーの背景にはどのような想いがあったのでしょうか。

ウ山あまね:PAS TASTAとして「ボカロPの方とコラボしたい」という構想があり、誰と一緒にやるのが一番面白いかを話し合った時、僕からピノさんを推薦させていただきました。僕たちのサウンドの意図を汲み取って、そこに意味を見出してくれるという絶対的な信頼感があったので。

ピノキオピー:ありがたいですね。オファーをいただいた時は本当に嬉しかったです。

ーーピノキオピーさんは作詞・歌メロ・一部編曲で参加し、ベースのトラックはPAS TASTA側で作ったんですよね。ジャンルとしてバイレファンキを選択した理由は?

ウ山あまね:メンバーのhirihiriがバイレファンキを得意としているんですが、彼と「バイレファンキにボカロの歌が乗るのがいいんじゃないか」という話になって。実際にできたものはかなり荒唐無稽なトラックだったので「絶対にやりづらいだろうな……」とヒヤヒヤしていたんですが、後日ピノさんから「すごく作りやすかったです! 歌詞が乗せ放題でした」と言っていただけて安心しました(笑)。

ピノキオピー:僕はそれまで「バイレファンキ」というジャンルを知らなかったんです。だからあえてルーツを調べすぎず、届いたトラックの純粋な格好良さと、PAS TASTAと一緒にやる面白さに素直に向き合いました。トラックの狂暴なエネルギーから「現代における消費」「消費の昂揚感」というテーマが浮かび上がって、一気に歌詞とボーカルを書いていったのを覚えています。

ウ山あまね:ピノさんから返ってきたボーカルデータを聴いた時、全員で圧倒されました。「全力でぶつかり返さないとPAS TASTAの存在感が消されるぞ」と強い危機感を抱いて、そこから全員で話し合ってトラックをさらにビルドアップしました。あの一曲を通して、PAS TASTAとしてもレベルアップできた確信があります。

ピノキオピー:僕もPAS TASTAの妥協のないクリエイティブさとスピード感に圧倒されました。

ウ山あまね:最初にいただいたタイトルは「ベストバイ・モンキー」だったんですが、最終的には歌詞やアルバムの並びを考えて「B.B.M.」にさせてもらいました。結果的にはボカロの文脈からも少し外へ踏み出したようないい距離感にもなったと思います。

ーー実際に一緒に制作してみて、ピノキオピーさんから見て、PAS TASTAの音楽性やアプローチはどのように映りましたか。

ピノキオピー:PAS TASTAは尖ったトラックメーカー集団ですが、マニアックな表現を突き詰めるだけでなく、それを知らない大衆に届くポップな文脈に昇華して提示しているのが本当に格好いいと思っています。2ndアルバム(『GRAND POP』)のタイトルを見た時もまさにその通りだなと。さらにライブで全員が実際に楽器を持ってパフォーマンスし始めた姿を見た時も、そのアプローチの生々しさと熱量にすごく痺れました。

ーーライブの話が挙がりましたが、お二人はライブを意識して楽曲を作ることはあるんですか?

ピノキオピー:一体感のある盛り上がりが欲しいので、コール&レスポンスを分かりやすく曲に組み込んだりはしますね。でも最近は、あまりに露骨にやりすぎると“あざとさ”や“狙いすぎた嫌らしさ”が出てしまうと感じていて。あえて引き算をして、機能的になりすぎないように整えるメタ視点を入れるようになりました。

ーー「みんながこれで歌うと思うなよ」という、お客さんとしてのクールな自分がメタ的に入ってくるわけですね。

ピノキオピー:そうなんです。狙いすぎると自分の客観的な視点がブレーキをかける。そのバランス感覚は常に意識しています。

ウ山あまね:PAS TASTAはあまりライブでどうこう、ということはありませんが、アルバムを作る際には「この辺にバンドっぽい曲を入れよう」と話し合ったりはしますね。他の楽曲に関してはもっと細かいサブジャンルで「こういう曲がいい」と意見を出し合う感じですが、バンド編成の曲に関しては「ここでギターソロが入ったらアツいよね!」という衝動で自由に作っているので、バンドサウンドの中にドロップが入ったりするんだと思います。

『NIGHT HIKE 2026 in 幕張』では「お客さんやイベント全体を“ビックリ”させたい」

ーーそういった“心地よい違和感”がPAS TASTAのポップさに繋がっているのかもしれませんね。ここからはお二人が出演されるイベント『NIGHT HIKE』についてもお伺いします。ボカロ文化、クラブカルチャー、ネットカルチャー、イラストレーターがクロスオーバーするこのイベントに対して、どのような印象をお持ちですか。

ピノキオピー:それぞれが違う色を持っているのに、集まることで一つの大きな新しいエネルギーになっている。その心地よさが本当に素晴らしいイベントだなと毎回感じています。

ウ山あまね:クラブミュージックとボカロ文化がこれほど高次元で入り混じるイベントは他にはないと思います。しかも知らない間にどんどん規模感が大きくなっていて……今回は幕張メッセということで「このイベントは最終的にどこまで行くんだろう」というワクワク感がすごいです。

ーー今回の『NIGHT HIKE 2026 in 幕張』ではどのようなパフォーマンスを見せたいですか?

ウ山あまね:これだけの巨大なステージに呼んでいただいたので、とにかくお客さんやイベント全体を「ビックリさせたい」という気持ちが一番強いですね。

ピノキオピー:ネットの画面越しで見てもらうのとは違って、ライブ会場だからこそダイレクトに伝わる生の熱量や空気感があります。幕張メッセという最高のロケーションで、自分が持っている全力をフロアにぶつけて、集まってくれたみんなと心から楽しみたいです。

 TRIBALCON.が主催するミュージック・アートフェス『NIGHT HIKE 2026 in 幕張』の第4弾ラインナップが発表された。あわせて、DAY1・DAY2それぞれのホール9・ホール11のステージ別ラインナップも公開された。

 同フェスは、2026年10月31日・11月1日の2日間、幕張メッセ 展示ホール9・11にて開催される。

 第4弾ラインナップとして新たに発表されたのは、THE SPELLBOUND x BOOM BOOM SATELLITES、石野卓球、須田景凪、syudou、粗品、きくお、ツミキ、Aiobahn、TAKの9組。ボーカロイド/インターネットを起点に独自の音楽表現を築いてきたアーティストから、ダンスミュージック、テクノ、ロックまで、幅広いシーンからアーティストが集結する形となった。

 NIGHT HIKEは2023年に渋谷WOMBからスタートし、渋谷でのサーキットフェス化、国内各都市での開催、海外公演などを経て、2026年5月には渋谷5会場を舞台とした『NIGHT HIKE -scramble-'26』を開催。今回、渋谷から幕張へと舞台を移し、幕張メッセ 展示ホール9・11を舞台とした大型フェスとして展開される。

 ステージ別ラインナップでは、ボーカロイド、クラブミュージック、ネット発アーティスト、VTuber、バンドなど、多様なシーンの出演者が2つのホールに分かれて登場する。

 なお、チケット購入時に応援金額を設定できる「まごころチケット」も用意されている。集まった応援金は、会場の照明・音響・演出など、幕張公演の充実のために活用される。

■公演情報
『NIGHT HIKE 2026 in 幕張』
日程:2026年10月31日(土)・11月1日(日)
会場:幕張メッセ 9・11ホール
時間:11:00開場 12:00開演(予定)

【DAY1|10月31日(土)】
ホール9『HIKE STAGE』:DUSTCELL / 須田景凪 / syudou / こっちのけんと / muque / メルティさん & Mr.ナプル & アンドロメダ子 from はるまきごはん × 煮ル果実 × ナユタン星人 / ☆Taku Takahashi(m-flo, block.fm)/ DÉ DÉ MOUSE / LanPage / okadada / TREKKIE TRAX CREW / 只野 楓 / r-906 / なきそ / SARUKANI / 椎乃味醂

ホール11『NIGHT STAGE』:かいりきベア / Guiano / 煮ル果実 / TeddyLoid / hasty / なみぐる × 平田義久 / 大漠波新 / FAKE TYPE. / 笹川真生 / PAS TASTA / 雄之助 / Generation Z

3M(MAKUHARI MEGA MIX):d.j.ァネイロ / D.watt / Genick / HEAVEN'S GATE CREW / Ichii / IQYU / KAIRUI / KO3 / Marble / Mi7s3 / miru / purini / Reno / Ruliea / sibitto / Ziema / ざんぎ / メメメメ / 芥田レンリ / 長谷川迷子

【DAY2|11月1日(日)】
ホール9『HIKE STAGE』:THE SPELLBOUND x BOOM BOOM SATELLITES / 粗品 / 花譜 / Kizuna AI / ピノキオピー / 鬱P meet siinamota(Band Set / Guest Vocal: Sou)/ kz(livetune)/ 八王子P / 鬱P / 名取さな / 水槽(Live Set)/ JAMBORIDE(BANVOX & SEKITOVA)/ DJ WILDPARTY / サツキ / きくお

ホール11『NIGHT STAGE』:石野卓球 / 大沢伸一 / ツミキ / Aiobahn / カンザキイオリ / Dios / 原口沙輔(Live Set)/ 和田たけあき / KOTONOHOUSE / KMNZ / 梓川 / Empty old City / TAK

SPECIAL PROGRAM 3M(MAKUHARI MEGA MIX):Capchii / Hylen / Mwk / Nemonoika / Nizikawa / picco / SEE / VOLTA / zensen / アオワイファイ / あたたかい水族館 / キツネリ / ど〜ぱみん / わらべ / 威戸れもね。/ 夏山よつぎ / 市瀬るぽ / 書店太郎 / 前澤 / 吉田夜世

※記載順は出演順ではありません。
※出演者および出演ステージは予告なく変更となる場合があります。

【チケット料金】
一般チケット
・一般販売(9/28〜10/30):1-DAY 13,000円 / 2-DAYS 22,000円
・当日券(10/31〜11/1):1-DAY 15,000円

VIP PASS
・前売券(6/30〜10/30):1-DAY 25,000円 / 2-DAYS 49,000円
・当日券:1-DAY 28,000円

VVIP PASS
・前売券(6/30〜10/30):1-DAY 50,000円 / 2-DAYS 99,000円

U-19(6/18〜10/30):1-DAY 7,800円 / 2-DAYS 15,000円

主催:TRIBALCON.
チケット販売ページ:https://tribalcon.zaiko.io/ja/e/night-hike-2026-makuhari
公式サイト:https://nighthike.net/

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