岡咲美保「ここが私の居場所」 手紙と音楽で想いを届けたデビュー5周年記念ライブ 次の“約束”を交わし、続いていく夢

 声優の岡咲美保が、アーティストデビュー5周年を記念したライブ『Miho Okasaki 5th ANNIVERSARY LIVE フローリア supported by animelo』を9月13日に昼夜2部構成で開催。9月2日にリリースしたミニアルバム『MY ÉTOILE』の収録曲をメインに据えたライブではあるが、昼公演は『僕の鼓動』、夜公演は『約束の音』と題し、セットリストを大きく変えるというチャレンジングな試みでファンを楽しませた。

 夜公演『約束の音』は、ムービーからスタート。岡咲が自分自身に宛てた手紙を読むという内容で、5年間歩みを止めなかった自分への感謝と、未来の“扉”を開いていくワクワク感を読み上げ、1曲目「ペタルズ」へとつなげた。

 〈扉 そっと開いたら 花びら飛び込んで/まるで 誘い出すように 世界はきらめいた〉との一節をアカペラで披露してから、バンドメンバーによる演奏が加わってステージに音の花が咲き誇る。暖色系の照明や、客席を埋め尽くすイエローのペンライトもこの楽曲に彩りを添え、場内は一瞬にして岡咲の色に染まった。

 そして最新ミニアルバム『MY ÉTOILE』収録曲「ペリスコープ」を歌唱。ポジティブな曲調の2曲で、早くも観客の心を温めた。MCでは、アーティストカラーでもある“ハピネスイエロー”の衣装に触れ、「初心にかえってこの色にした」と岡咲。くるりんと回って衣装のバックスタイルも見せ、観客から「かわいいー!」という称賛の声を受け取ると、嬉しそうに微笑んだ。その後は、「一緒に体を揺らして楽しんでいただきたいです!」と前置きしつつ「バブルス」を披露。続く「らぱっぱ☆PARTNER!」は、コミック版『転生したらスライムだった件』(講談社)のコラボソングということもあり、岡咲が演じる主人公のリムル=テンペストをイメージした“スライムダンス”を踊る場面も。予習済みの観客たちも一緒になって陽気に踊り、ますます明るいムードを作り上げた。

 昔の私が好きだった音楽。そしてあの日の憧れがあったから、今私は大きなステージで歌えている――。そんな、幼い頃の自分に宛てた手紙を読み上げるムービーを挟み、メドレーブロックへ。「好きじゃないよ」、「ミラー」、「絆創膏」と、ボカロPからの提供曲や「ブリキノダンス」(日向電工)といったカバー曲を次々放ち、メドレーラストには「白い雪のプリンセスは」(のぼる↑)をカバー。高い歌唱スキルを求められる同曲も見事に歌いこなし、アーティスト・岡咲美保の存在感を確かなものにした。

 バンドメンバーこと“美保のこと支え隊”が「カレイドスコープ」のインストを演奏するブロックを挟み、ここでも手紙のムービーが流れる。これまで岡咲自身に宛てていた手紙は、ここでファンに宛てたものに。「ここまでの道のりは、平坦じゃなかった」「悩みも尽きないけど、そんなときには、みんなからもらった、たくさんの笑顔が私に力をくれました」「ここが私の居場所だって、みんなが教えてくれました」と、画面越しに感謝の気持ちを伝えた岡咲。その後、ステージ上に白い衣装に着替えた彼女が再登場し、「あと、ちょっと」を歌唱した。

 岡咲が作詞に関わり、ファンへの思いや自身の居場所に触れた同曲は、手紙の内容ともリンクして一層刺さる楽曲に昇華する。元気いっぱいの観客もこのときばかりは静かに聴き入り、最後に大きな拍手を送っていた。のちのMCによると2着目の衣装が白になったのは、「周年といえば白でしょう!」というスタッフ陣の提案が採用されたとのこと。「白にもいろいろな色がありますが、私に似合う白を探してくださいました」とこだわりを伝えたほか、「ヘアスタイルは、これまでやってきた要素を全部入れてくれています」とも明かし、5周年の節目をチーム全体で盛り上げていることを語った。また、「ふしぎなあの子」では、サウンドと歌で童話のような雰囲気を演出。この曲については、MCで「こういう世界観に浸れる歌も大好き」と、手応えをにじませていた。

 「今は夜公演だよね? “夜”なので……」と、観客をあおりながら「夜ふかしダンス」を披露。さらに「Tictac」と続きライブも終盤というところで、「まだまだ盛り上がっていきますよ! いいですか!?」と、岡咲のエネルギッシュな声が響き「イイ!!」がスタート。歌い出しからラストまで観客のコールが響き渡るハイテンションソングで、場内のボルテージをますます引き上げた。続く「Starting Bell」で前を向いて走り出す希望をエモさ満点に歌い、本編ラストとなる「フローリア」へ。自身が作詞した同曲で、一人ひとりの日常に優しく寄り添いステージをあとにした。

 アンコール1曲目「スターフラワー」では、観客とのコールアンドレスポンスを存分に楽しんだ岡咲。ラスト1曲を残し、4thミニアルバム(2027年2月24日リリース)や、2ndライブツアー(2027年1〜3月開催)など、5周年記念プロジェクトの重大告知を終えて一息。「お手紙を書いてきました。この場を借りて、読ませていただいてもいいですか?」と切り出し、最後に生で手紙を読み上げる時間があった。ファンに宛てた手紙だ。

 不安や戸惑いを感じ、泣くことしかできなかった時期があったものの、ファンを信じ、自分を信じてステージに立ったこと。1stライブにて幕が上がり、客席一面にアーティストカラーの黄色が見えた瞬間、「楽しんでいいんだ!」と思えたこと。そこには必ず自分を前向きにしてくれるファンという存在があったと語り、「いちばん誇れることは、ファンのみんなが超最高なところです!」と、明るく感謝を告げた岡咲。続けて、「私の目標は、1stライブで約束したときから変わらず、日本武道館でライブをすることです」と、5周年の節目にあらためて宣言。「大きな夢だからこそ、ときには考え込んでしまうこともあります。でも大丈夫! 私が、私とみんなを連れて行くから!」という言葉は、ひときわ力強かった。

 ちなみに、手紙を読む前に「長くなりそうなので、疲れたら座ってくださいね」と岡咲が呼びかけたのだが、むしろ座っていた観客が立ち上がり、ほぼ全員が立った状態で最後まで手紙に聞き入っていたのが印象的だった。どちらも相手に対して誠実で真面目で全力。この相互関係も、5年間で育まれたものなのだろう。

 ラストは、デビュー曲の「ハピネス」。5年前の9月15日にリリースされた原点の楽曲で、6年目を歩むパワーを蓄えた。たくさんの手紙と音楽で心を通わせ、次の“約束”を交わした岡咲。終演間際、時間ギリギリまで手を振り合い交流する両者のあいだには、ずっと笑顔が咲いていた。

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