藤井 風、あいみょん、ゆず……“アーティストの原点”に近づく、大規模会場での弾き語りライブ
ドームやスタジアム規模の大きな会場で、あえて弾き語りに挑むアーティストは少なくない。
Fujii Kaze(藤井 風)も、そのひとりだ。Fujiiは、11月20日、21日に東京ドームで『藤井風 ピアノリサイタル』を開催する。10月末からスタートする『Prema World Tour』とはまったく異なり、Fujiiの独奏をコンセプトとした2日間限りの公演。巨大な東京ドームで彼の歌声とピアノの音色が響き合う、特別な時間となるだろう。
小学6年生の頃から、YouTubeにピアノカバー動画を投稿してきたFujii。過去には、日産スタジアムにて無観客のピアノ弾き語りライブ『Fujii Kaze “Free” Live 2021 at NISSAN stadium』を開催したことも印象深い。芝生の上に設置されたグランドピアノにひとり向き合い、数々の楽曲をシンプルなスタイルで、けれど表情豊かに届ける姿は、彼のアーティストキャリアの原点が“ピアノの弾き語り”であることをあらためて感じさせた。海外フェス出演やワールドツアーなど世界へ活動の場を広げ続ける今、あえてピアノひとつで東京ドームに立つ試みは大胆でありながら、彼の歩みを考えれば必然とも言えるだろう。
自身の原点である弾き語りを、大規模会場で届けてきたアーティストはほかにもいる。そのひとりが、あいみょんだ。2019年には初の日本武道館公演として、弾き語りワンマンライブを開催。2021年には弾き語りツアー『AIMYON 弾き語りTOUR 2021 “傷と悪魔と恋をした!”』で全国を巡り、メジャーデビュー5周年当日には日本武道館での追加公演も行った。
そして2022年には、地元・兵庫県西宮市にある阪神甲子園球場で『AIMYON 弾き語りLIVE 2022 −サーチライト− in 阪神甲子園球場』を開催。甲子園球場で弾き語りワンマンライブが行われるのは、史上初のことだった。かつては地元・兵庫や大阪で路上ライブをしていたというあいみょん。ギター一本を抱えて憧れの甲子園球場に立つことは、地元で音楽を始めた頃から抱き続けてきた夢が、時を重ねて結実することを意味していた。彼女にとって、同公演はそれまでの歩みを刻んだひとつの集大成だったと言えるだろう。
ゆずも、弾き語りでドーム規模のステージに何度も立ってきたアーティストだ。横浜・伊勢佐木町での路上ライブから活動をスタートさせたふたりにとって、アコースティックギターと歌による表現はまさに出発点。2016年11月には、デビュー20周年イヤー突入記念として東京ドームで弾き語りライブ『ゆず 20周年突入記念弾き語りライブ「ゆずのみ」』を開催。2019年には、日本の音楽史上初となる弾き語りのドームツアー『ゆず 弾き語りドームツアー2019 ゆずのみ〜拍手喝祭〜』を成功させた。
そして、今年5月から7月にかけては弾き語りツアー『ゆず 弾き語りアリーナツアー 2026 心音』を開催。30周年突入を控えるタイミングで、最新アルバムを携えながら、あらためて弾き語りと向き合ったふたり。ゆずにとって弾き語りライブは、原点に立ち返る意味があると同時に、今なお新たな可能性を探り続けているものなのだろう。
数万人規模の観客が見守る大きなステージで、あえて弾き語りに挑む。それはアーティストの原点を示す時間になると同時に、シンプルな表現だからこそ深く伝わるものがあるはずだ。