「絶対伝説のライブになる」──サブマリンオルカ号×マリンブルーデージーが語る『#楽園収穫祭』に懸ける想い
東京を拠点に全国各地でガールズバンドの祭典イベントを展開し、界隈に新たな活気をもたらしている『#楽園収穫祭』が、ついに初の西日本上陸を果たす。
7月20日=海の日に山口県岩国市・Rock Countryで開催される『#楽園収穫祭 海ノ歌ゲ』では、山口と長崎、それぞれの海の街で生まれた“マリンロック”を鳴らし、2024年の同イベントでの共演以来、深い交流を重ねてきたサブマリンオルカ号とマリンブルーデージーの2組がWヘッドライナーを務める。お互いのルーツや境遇に共鳴し合う両バンドのボーカル兼ソングライター、リンダと海音による新ユニット・LindAmaのプレミアムアクトや、岩国で生まれたばかりの後輩バンドの出演など見どころ満載だ。
今回は開催に先立ち、リンダ(Vo/Dr)と海音(Vo/Gt)へのインタビューをお届け。お互いの音楽性や書き下ろし新曲の制作秘話、イベントへの熱い意気込みをたっぷりと語ってもらった。(編集部)
境遇の似た二つのマリンロックバンドの出会い
──まずは、おふたりの出会いから教えてください。
リンダ(サブマリンオルカ号):オルカ号は山口県出身なんですけど、初めて東京でライブをしたのが2024年8月の『#楽園収穫祭』だったんです。そこでマリンブルーデージーと初めてお会いして。同じ3ピースだし、私たちがバンドを結成した時期と同じくらいの年齢の子たちだったので、「自分たちもこんな感じだったなあ」と思いながら見てました(笑)。そこから仲良くさせてもらっています。
海音(マリンブルーデージー):私はそれ以前からサブマリンオルカ号の存在は知っていて。自分たちと同じようにバンド人口の少ない地域で、いろんな困難を乗り越えながら長くやってきたバンドということで、「私たちが理想とする先輩バンドだ」というイメージを持っていたんです。実際に会ってより魅力に気づいたというか、「マリブルとはまた違うけど、マリブルもこうでありたい」みたいな不思議な感覚を抱きました。
リンダ:その日のライブが終わったあとに、海音ちゃんが「境遇がすごく似てますね」と話しかけてくれて、それがすごく嬉しかったのを覚えています。「同じように思ってくれてるんだ」って。
──お互いの音楽性についての印象は?
海音:私たちは3ピースのガールズバンドということで音圧に悩むことが結構あったんですけど、サブマリンオルカ号は3ピースと感じさせないほどの声量や技術があって、「なんだこれは!」と衝撃を受けたんです。「こんなことが可能なんだ!」と思って、全身がビリビリしました。
リンダ:私は最初に海音ちゃんのステージを観たとき、すごく器用なんだなと思って。私たちは「パワーで頑張ります」みたいな感じがあったかなと思うんですけど、マリブルは反対に、シリアスな雰囲気をちゃんと表現できるのがすごいなと思いました。
海音:嬉しい……! マリブルの音楽には「自分のドキュメンタリーを曲にする」というテーマがあるんですけど、サブマリンオルカ号はファンタジー感のある楽曲が多いので、そこに魅力を感じます。私にはできない音楽だなって。
リンダ:私、中高生の頃に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとかで働いてみたいな」と思っていて……。
海音:へえ、そうだったんですね。
リンダ:でも山口にはあんまりテーマパークがないし、現実的じゃないなと思ってて。「じゃあバンドでできることからやろうかな」と考えて、制服を着て「皆さんを深海に連れて行きます」とか言ったりする演出をやり始めたんです。それはテーマパークに対する憧れからくるものですね。
海音:え、じゃあリンダさんがもし長崎に生まれてたら、ハウステンボスで働いてたかもしれない?
リンダ:うん、働いてたかもしれないです(笑)。
海音:ヤバい、オルカ号がなくなっちゃうところだった(笑)。山口のバンドで本当によかったです。
リンダ:なので私はバンドを始めたときからずっと、自分のリアルな体験を歌にすることがあまりなかったんですよ。逆にマリブルって共感性の高い歌詞がストレートに歌われていて、しかもそれがちゃんとステージで映えるのがすごいなーって思います。3人が持つ雰囲気とか、海音ちゃんのステージングとかに独特の色がありますよね。
海音:光栄です。こうやって「伝わってるよ」と教えてもらえることがすごく嬉しいです。
偶然の一致、海をテーマに書き下ろした正反対の2曲
──おそらく、曲の作り方も結構違いそうですよね。
海音:私が曲を作るときは、最初に必ずテーマを設定するんですよ。それに対してリンダさんは、どちらかというと作っていく過程でテーマが決まっていくのかな? っていうイメージがあって。それを最初に知ったときは「そういう作り方もあるんだ!」という驚きがありました。
リンダ:そうですね。私は最初に1時間ぐらいでバーッと曲の構成を組んじゃって……。
海音:ええ! すごい!
リンダ:そこから2、3日置いて、「ここはちょっと違うな」と変えていくパターンが多いかもしれない。逆に海音ちゃんは、私では思いつかないようなコードの組み方とか、歌詞の回収の仕方とかをするのが面白いなと思います。
海音:私は結構慎重にやっちゃいます。たとえばAメロが決まってたとしたら、BはAを前提に作るからそこで歌詞を回収することを考えたり、「こういう構成にするためにはどんな歌詞がいいかな」とか逆算して考えたりするので、曲作りにはすっごく時間がかかりますね。
リンダ:正反対です(笑)。
──だからこそ、同じお題で作ってもまったく違うものになるんですね。今回、7月20日に行われるライブ『#楽園収穫祭 海ノ歌ゲ』に向けて両バンドが“海”をテーマに新曲を書き下ろしましたが、完成した2曲がまさに今のお話通りの仕上がりで。
リンダ:はい、そうですね。
──ちなみにオルカ号が「私をスキューバに連れてって」、マリブルが「シュノーケル」と、かなり近いモチーフが選ばれています。これは偶然なのか示し合わせたのか……。
海音:これは偶然です(笑)。
──偶然なんだ!
海音:本当に信じられないですよね。びっくりしちゃった。
リンダ:私は「夏だし、オルカ号としては楽しい曲を作りたいな」と思ったときに、スキューバダイビングがいいかもと思って。あと、「私を野球に連れてって」のオマージュでタイトルをつけたんですよ。アメリカの球場とかで流れる歌があるんですけど。
──あ、そっちなんですね。僕ら上の世代がこのタイトルを見ると、映画『私をスキーに連れてって』を連想しちゃうんですけど。
リンダ:あ、そうですよね。その「私をなんとかに連れてって」っていうのがオマージュとして定番になってるのかなって勝手に思ってたんです。それを私たちもやったら面白そうだなっていう思いがあって、タイトルを最初につけました。
海音:タイトルが最初なんだ! すごい!
リンダ:タイトルが先で、「みんなでワイワイできるようなものがいいな」と思ってできた曲です。
海音:すごく楽しい曲で、最初に聴いたときから「めっちゃサブマリンオルカ号だ!」と思いました。あと、歌詞。びっくりしましたよね。
リンダ:タイトルに「連れてって」とあるように、私たちは引っ張ってもらう側の目線で書いてるんですけど、海音ちゃんたちのほうは引っ張る側で書いてて。「対になってるー!」と思って。
海音:マジでびっくりしました。さっきから「びっくりした」しか言ってないですけど(笑)。
リンダ:あははは(笑)。