MORE STAR ソロインタビュー Vol.7:萩田そら「村川緋杏さんがロールモデル」 持ち前の“ポジティブ”で変える心の根本
「ただ歌っているだけじゃない」――SWEET STEADY 塩川莉世への憧れ
――幼少期から自分という軸を持っている印象がありますけど、そんな萩田さんが影響を受けた人や作品は?
萩田:私は本を読むのがあまり得意じゃなくて。お姉ちゃんは部屋に大きい本棚があって、ダダダっといろんな作品を並べているんですけど、私は並べるほどの本がなくて本棚を捨てちゃったくらい(笑)。そんな私が『小公女セーラ』という作品だけは、小さい頃からずっと繰り返し読んでいて。セーラは落ち込んだときとか、周りからいじめられたり、一文無しになっちゃったときも、「自分はプリンセスだ」という強い意志を持って這い上がっていくんです。あと、どんなに落ち込む場面でも、自分よりも落ち込んでいる人や貧しい人がいたら、そっちを助けるマインドで生きている子で。それに影響を受けて「自分は自分だから、周りに流されないようにしよう」とか、「悪い言葉や影響に左右されないようにしよう」「常に周りの人に優しくいたいな」って思考になりました。
――その本と出会ったのは、何歳のときですか?
萩田:小学3年生だと思います。おばあちゃんが伝記や物語の本を送ってくれる時期があって、そのなかに入っていた1冊だった気がします。
――本嫌いの萩田さんが、なぜその本を手に取ったんでしょう?
萩田:セーラが最後にプリンセスになって、めちゃめちゃかわいい髪型で、かわいいドレスを着ているイラストが本の表紙だったんですよ。小さい頃からお姫様が大好きだったので、その絵に惹かれて手に取りましたね。未だに『小公女セーラ』だけは、何度も読み返すほど大好きです。
――小学3年生で初めて読んだときと、今(二十歳)読み返したときでは、感じ方は変わりましたか?
萩田:変わらないかもしれない。昔から強い女性がすごく好きなので「素敵だな、私もセーラのように生きたいな」と思いながら読んでいます。
――それだけ生きる指針になっているんですね。MORE STARのオーディションで印象に残っていることも教えてください。
萩田:課題曲「スターライト・ヴァルキリー」の2回目の発表のとき、先生が良かった人の名前を呼んでいったんですけど、自分だけ呼ばれなくて。そのとき、自分がパフォーマンスを楽しむことを忘れていたと気づきました。歌もダンスも、みんなと揃えることに集中しすぎていたんです。マネージャーさんからも「良さが見えないよ」と言われて、「そらの歌やダンスは、これまで積み重ねてきたものは知ってるから、それ以外の部分も見せてほしい」とアドバイスをいただいて、ハッとしました。その時点で合格発表まで残り2日しかなかったんですが、そこで一気に意識を切り替えて臨めたことが、自分のなかでは大きな分岐点になりました。
――いざメンバーに選ばれたときの心境は?
萩田:もちろん嬉しさもありましたけど、それ以上に安心しました。大学3、4年生になったら大変なことも増えてくるし、オーディションに受からなかったら別の人生を考えなきゃいけないと思っていたので、夢を諦める前に掴み取れてよかったなって。
――いざ活動が始まり、最初に印象に残っている出来事はありますか?
萩田:(木村)ミサさんから「メンバーカラーは紫」と言われたことがすごく嬉しかったです。自分は歌うことが好きで、メイツのときから「歌を武器にしよう」と決めていたので、そこを期待されていると思えたのが嬉しかった。あとは、初めて自分の衣装をもらったときも印象深いです。メイツ時代の衣装はS・M・Lの3サイズが用意されていて、私は身長が172cmあるので、Lを着てもスカートが短くなったりして。「丈が足りなくてごめんね」とスタッフさんから言われても「デビューしたらマイサイズの衣装を作ってもらうので大丈夫です!」と話していたので、それが叶った瞬間はとても嬉しかったです。
――MORE STAR結成から現在までを振り返って、ご自身のなかでいちばん成長したところは?
萩田:物事を考えられるようになったのが、いちばん大きな変化ですね。メイツのオーディションから、ずっとそらのことを見てくれているマネージャーさんがいまして。「こんなに大人になると思わなかった」と言われるぐらい、内面が変わったんですよ。最初は、大好きな歌やダンスを教えてもらえて、それを披露できる場所もあって、頑張ればファンの方もついてきてくださるので、純粋に楽しい気持ちで活動していたんです。ただ、途中で一緒に活動していたお姉さんたちが先にデビューしていくタイミングがあって。「自分ももっと頑張らないとデビューできない」「理想のアイドル像や立ちたいポジションには届かない」と感じるようになった。そこで一気に意識を切り替えられたことが、自分のなかでは大きな成長につながったと思います。そういう意味でも、内面の変化がいちばん大きいですね。
――萩田さんのなかでいちばんの強みはなんでしょう?
萩田:歌に表情をつけられるところは、自分の武器だと思います。私はSWEET STEADYの塩川莉世さんの歌が大好きで、莉世さんの生歌を聴くためにライブに行きたいと思うくらい惹かれているんです。メイツ時代から莉世さんの歌をスロー再生して、「どうして、こんなに真っ直ぐ聴こえるんだろう?」「なんで切なく聴こえるんだろう?」と分析しているんです。
――結論は出たんですか?
萩田:分かったのが、ただ歌っているだけじゃないんですよね。意外なところで息継ぎをしていたり、自分が予想していないところで音を切ったり、面白いところでアクセントをつけていたりしていて。莉世さんの研究をして、それを自分の歌に活かせるようになったところにも成長を感じますし、これからも歌唱力を伸ばしていきたいです。
――その人の歌がなぜ素敵に感じるのかを紐解けると、より歌うことが楽しくなりますね。
萩田:すごく楽しいです! 自分は地声が大きいんですけど、最初は声を張るときに「ぐわあー!」と思い切り出していたんです。ちゃんと歌を分析するようになってから、そんなに大きく張り上げなくても、力を込めているように聴こえる発声法を見つけられました。あとは、声が安定する方法も自分なりに勉強しつつ、ボイトレの先生にも教えていただいて。昔以上に歌うことが大好きになりました。