Leinaがさらけ出した“剥き出しの生き様” 14歳の自分とLeinyを救い上げた『Jellyfish』ツアーファイナル
今回のツアータイトルは『Leina Live Tour 2026 "Jellyfish"』。昨年リリースしたメジャーデビュー作「Blue age」が海をテーマにしたもので、今年リリースしたシングル「キャリーバッグ」では歌詞の中で下弦の月を描いていることから、“海”と“月”から“クラゲ”を連想して今回のテーマに決まったという。一方で、『Jellyfish』にはスラングで“弱虫”や“臆病者”という意味もある。これに着目したLeinaは、自身の弱さもステージで見せることにした。そうして『Jellyfish』と名付けられたツアーは、自身とLeiny(Leinaのファンネーム)を救い出すものとなった。
本稿では、4月16日に開催された東京・Zepp DiverCity(TOKYO)でのツアーファイナルの模様をレポートしていく。
「みんなの心の中にLeinaという居場所ができたらいいな」
場内が暗転すると、ステージを覆う紗幕に「Blue age」のMVを彷彿とさせる海へと潜る映像が映し出され、Leinyもともに海の中へと誘われる。色とりどりのクラゲが浮かぶ水中。水をかき分けるように水中を進んだあと、「弱さを受け入れることが一つの強さだと信じて」という文字が浮かび上がり、紗幕越しにはLeinaの姿が。彼女はステージに堂々と立ち、〈小さな浴槽で語り合った日/霧の中触れる感情は置いといて〉と「浴槽」を歌い始める。切なくも生命力にあふれる歌声は、海底から発光するかのようなエネルギーを放つ。その引力に、Leinyもじっと息を潜める。その静寂が、まるで水中にいるかのような錯覚を増大させていく。さらにステージに座り込んで歌った「藍の意味を」を続け、客席にはまるでクラゲが漂っているように青いリングライトが灯る。紗幕の向こうで歌い上げるLeinaは、神々しささえ湛えていた。
神聖な空気をガラッと変えたのは「食わず嫌い」。真っ赤な照明に染められる中、マイナーコードのギターにあわせて歌い始めたLeina。そして「東京・お台場ー! 皆さん盛り上がる準備できてますか〜?」と声を上げると、紗幕が開いていく。ここでようやくLeinyも息を吐き出す。Leinaも内側に溜めていたエネルギーを放出するように声を張り上げ、そんな彼女につられるように、Leinyも「tasting, tasting」と大きなコールで呼応した。
3曲を歌い終えたLeinaは、カラッと「やっほー!」と挨拶。そして昨年のKT Zepp Yokohama公演では悔しい思いをしたことを明かし、「今日はめちゃくちゃいいライブができる気がします!」と胸を張った。さらに「ライブって(曲を)知っているか知らないかじゃなくて、今この空間でどれだけお互いを見せられるかだと思う」「Leinaは今日裸で来ている、それくらいの気持ちですべてを皆さんに捧げるつもりです。ゆっくりでいいからあなたのペースで、緊張を解いていけたらと思っています」と、初めてLeinaのライブに来た人も多いフロアへと声をかけてライブを再開させた。
先ほどまでのスケール感のある楽曲から一転「どうでもいい話がしたい」「君の前だと溶けちゃうの」、Leinaの弾き語りで届けた「恋に落ちるのは簡単で」とオーガニックな楽曲群を続けて、少しずつ寄り添っていく。客席からの「かわいいー!」という声を受けて「もっとちょうだい」とお茶目に笑ったあと、「Leinaも愛してるよ」と優しく微笑むなど、音楽だけでなく言葉や気持ちも丁寧に交換していくLeina。そして、中学生の頃の孤独が作詞作曲を始めるきっかけになったことを語り始める。
「作詞作曲を始めたのは14歳の時。当時の自分は居場所がなかったんです。存在する場所はあったけど、自分の心を理解してくれる人がいなくて孤独に苛まれていたのかなって思って『君が死にたいっていうなら』という曲を書きました」
「自分がしんどい時に夜を乗り越えられたのは、音楽があったから。今日あなたが仕事終わりなのか学校終わりなのか、一人ひとりの人生の背景はわからないけど、あの時救ってくれた音楽みたいに、みんなの心に触れて、みんなの心の中にLeinaという居場所ができたらいいなと思っています。あなたの居場所はLeinaの中にあるから。それだけは忘れないでほしいなって思います」
そう言葉を重ねると、弾き語りで「君が死にたいっていうなら」へ。歌詞の一言一言に魂を宿らせるように、ゆっくりと言葉と音を紡いでいく。ギターのストロークで振り下ろした手で胸をドンッと叩いたり、まっすぐにフロアへ伸ばしたり、当時の自身と、目の前のLeinyを救い上げるように丁寧に言葉を届けていった。
中盤には映像演出による楽曲も。Leinaのライブの恒例となっている即興ソングだ。今回は、「声を重ねてみたくて」というLeinaのアイデアから、彼女の弱さをループステーションを使用した繊細なサウンドで表現することに。しかし、か細い声をいくつも重ねることで、その声は太く、頼もしくなっていく。ここで、冒頭の「弱さを受け入れることが一つの強さだと信じて」という言葉を思い出す。Leinaがステージで弱さを表現した理由がわかった気がした。