TOMORROW X TOGETHER「チームへの確固たる信頼が揺らいだ瞬間はありません」 最新作で見せる“僕たちの物語”

 TOMORROW X TOGETHERが8thミニアルバム『7TH YEAR: A Moment of Stillness in the Thorns』の発売記念ショーケースを開催した。再契約後初のカムバックとなる今作は、グループにとって新たなチャプターの始まりを告げる一枚。これまで少年の成長ストーリーを描いてきた5人が、今回はより自身の実感に近い感情を作品へ落とし込んだという。その思いは、この日のステージとトークの両方から色濃く伝わってきた。

 最初の挨拶では、SOOBINが「今回『7TH YEAR: A Moment of Stillness in the Thorns』のアルバムで戻ってきました。再契約後の初アルバムで感慨深いですが、今日は素敵なかっこいい姿をお見せできるようにします」とコメント。HUENINGKAIは「“棘の茂みで風が一瞬止まった時”に感じたさまざまな感情を音楽に込めました」と長いアルバムタイトルに触れる。BEOMGYUは「少年の成長ストーリーを描いていた僕たちが、切ない恋のストーリーで戻ってきました」と今作の変化を言葉にした。YEONJUNは「再契約後初めてのカムバックであるだけに、デビューするような気持ちで一生懸命準備をしました」と話し、TAEHYUNも「この7年間そうだったように、またベストを尽くします」と静かに意気込みを語った。

 HUENINGKAIのボーカルから始まる「Stick With You」は、サビの高揚感が耳に残る一方で、5人は終わりの気配を抱えた感情を抑えた表情や動きで丁寧に描いていく。激しさで押し切るのではなく、視線や間の取り方で切なさを滲ませる姿が印象的で、楽曲の持つ余韻をより深くしていた。別れを前にした愛の物語でありながら、再契約を経て新たな一歩を踏み出すTOMORROW X TOGETHER自身の現在地も重なって見える、強い印象を残すステージだった。

 パフォーマンス後のトークでは、アルバムの制作背景が語られた。HUENINGKAIは「これまでは少年のストーリーや成長ストーリーをお見せしましたが、今回は僕たちが直接の語り手となっている部分が特別なポイントです」と説明。YEONJUNも「僕たちの物語なので、参加度や一体感もこれまで以上に高かったです」と続ける。今回は5人それぞれのインタビューから作品作りが始まったそうで、HUENINGKAIは「決まったテーマのなかで始めるのではなく、僕たちのインタビューをきっかけに物語を作ってきました。無から有を生み出すような感覚が強かったです」と振り返った。

 なかでも印象的だったのは、7年間の活動を振り返る過程で、メンバーが不安や葛藤も率直に言葉にしていたことだ。BEOMGYUは「嬉しかった瞬間も多かったですが、不安や悩みを感じた時もたしかにありました」と明かし、「今回のアルバムにはそういった率直な感情を込めたいと思いました」と語る。YEONJUNも「思ったよりも決して華やかなことばかりではなかった。将来に対する不安もありました」と話し、TAEHYUNは「デビューさえすればグローバルスターになるんじゃないかと思っていましたが、現実と理想のあいだにはかなりギャップがありました」と率直に打ち明けた。

 アルバムタイトルに話題がおよぶと、HUENINGKAIは「長いタイトルを見ると『やっぱりさすがTOMORROW X TOGETHERだ』と言ってくださる方もいて、僕たちのカラーだと思えてよかった」と笑顔。SOOBINも「久しぶりにタイトル曲の名前がハングルで、それも嬉しかった」と語り、「『デビューの最初の頃を思い出す』という反応は大きな褒め言葉として聞こえました」と頷く。BEOMGYUは「MOA(ファンの呼称)の皆さんがどう略してくださるのか、楽しみです」と話し、会場の空気を和ませた。

 タイトル曲の第一印象について、YEONJUNは「最初にガイドを聞いた時は、これまでのTOMORROW X TOGETHERの楽曲とは少し感触が違っていて、正直まだ馴染みきらない部分もあった」と振り返る。ただ、制作を重ねるなかでメンバーそれぞれのアイデアが加わり、「僕たちのカラーがよりはっきり表れた曲になった」と手応えを口にした。TAEHYUNは、何度もレコーディングを重ねた今作の制作過程を「ここまで録り直したのはいつぶりだろうと思うほどだった」と回想。HUENINGKAIは一方で、最初にメロディーを聞いた時から好感触だったといい、「僕たちの声が入ったら、さらに魅力的な曲になると思った」と語った。

 振り付け制作にはYEONJUNがアイデア出しの段階から関わり、コーラス部分の手や腕を使ったタットの動きもYEONJUNの提案によるものだという。これにSOOBINが「(YEONJUNは)単なるダンサーではなく、僕たちの振り付けの先生だと思います」と称賛すると、YEONJUNが照れたように「ありがとうございます」と応じる場面もあった。

 記者からの質疑応答では、再契約についてのエピソードも。TAEHYUNは、メンバーとの意見は1時間も経たないうちに終えたのだと明かし、「これからもグループとして活動していきたいという思いで一致しました」と説明。「ファンを待たせたくない」という思いから、コンサートの場で再契約を伝えたことも語られた。さらに、同じ事務所のBTSから丁寧なアドバイスを受けたことも明かし、「本当にあたたかいアドバイスをしていただきました」と感謝。SOOBINも「僕たちのようなケースは非常に稀だと聞きました」と振り返り、5人で迷いなく次の一歩に進めたことへの安心感も窺えた。TAEHYUNは「本当にたくさんのことをやってきたのに、7年(過ごした)ように思えない。昨日のように記憶に新しい」とコメント。YEONJUNは「ツラい時は本当にたくさんありました。でも、このチームに対する確固たる信頼が揺らいだ瞬間はありませんでした」と言い切る。SOOBINは、デビュー1年後にコロナ禍へ突入した時期を「与えられたものが奪われてしまったような気持ちになった」と振り返りながらも、「そうした経験を通して絆が深まった」と語った。

 終盤には、BTSの公演を観て感じたことや、今後の“第2幕”についての話も飛び出した。HUENINGKAIは「本当に印象深かったし、見習うところも多かった」と刺激を語り、BEOMGYUも「ひとりのファンとして拝見しましたが、さすがだなと思いました」と話す。最後に、これからどんなチャプターを見せていきたいかを聞かれたTAEHYUNは、「健康に幸せに活動するのがいちばん」と語りつつ、「それでも最終的に成績や成果が気になるので、Billboard(米Billboardチャート)トップに行きたい」と笑顔で宣言。SOOBINは「それぞれの場所で不安やツラさを抱えている方々に、少しでも慰めになれたらと思います」と締めくくった。

 再契約後初のショーケースで印象に残ったのは、TOMORROW X TOGETHERがこれまでの歩みを飾らずに語っていたことだ。華やかな時間だけでなく、不安や迷いもあった7年間を率直に振り返る言葉には、5人がこの節目をどれだけ大切に受け止めているかが表れていた。だからこそ、この日披露された「Stick With You」もまた、単なる新曲ではなく、新たな章へ進もうとする彼ら自身の思いと重なって見えた。TOMORROW X TOGETHERの次の歩みへの期待を強く感じさせる時間だった。

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