ラウド/ポップパンクの新たな騎手 WORSTRASH 『REDLINE』出演で変わった運命、ロックで掴みたい夢を語る
WORSTRASHを構成する“キャラクターの個性”
――TØMさんはWORSTRASHに加わる以前にLenさんと別のバンドをやっていたこともあるそうですね。
TØM:高校生の時ですね。
――どんなバンドをやっていたんですか?
TØM:その時は、もうLenとbibiはWORSTRASHを始めるってことだったんで、じゃあLenとは別のバンドをやるかってことになったんですけど、当時、Lenはまだクリーンボーカルが歌えなかったんで、だったらラップとシャウトだけで攻めようってことで、けっこう重ためのゴリゴリのバンドやってました。
――その後、WORSTRASHを新たに始めるにあたって、LenさんがTØMさんを誘ったんですか?
Len:そうです。バンドを同時に2つやるのは無理だと思って、WORSTRASH1本にしようと思ったんですけど、TØMのドラムが忘れられなくて(笑)。いや、本当にそれくらいプレイに華があるし、作る曲もすげえ良くて、やっぱりどうしても入れたいと思って、新生WORSTRASHに誘いました。
TØM:でも、最初はサポートでって話だったよね。もともと叩いてたドラマーが抜けちゃって、ライブができないから、サポートを頼めないかなみたいに始まったんですけど、やってるうちに楽しくなってきて、このままメンバーになりそうだなっていうのは感じてたんですよ。ただ、その時、他のバンドもやってたから、ちょっと迷ったんです。そしたらコロナ禍になって、ライブができないから、曲を作るしかないみたいな状況になった時、さっきbibiが言ってたように新たに作った曲がすごくハマって、時代の流れみたいなものも感じつつ、入ったほうがいいなと思いました。
――bibiさんはTØMさんのことはどんなふうに?
bibi:俺もTØMに入ってもらおうってずっと言ってました。それでLenが誘ってくれたんですけど、その前に1回、俺の家で遊んだことがあったんですよ。もう普通に友達ではあったんで。その時、オールして、翌朝の5時とか6時とかに、みんなでコンビニに行ったんです。LenとTØMと他にも誰かいたと思うんですけど、歩きながら「最近何を聴いてるの?」ってTØMに聞いたら、「マシン・ガン・ケリー」って言うから、「俺もめっちゃ聴いてる。マシン・ガン・ケリーみたいな音楽をやりたいんだよ」「俺もやりたい」ってなって、もうTØMしかいないって思いました。
――3人のキャラクターの違いみたいなものはありますか?
bibi:全員違うと思うんですけど、自分はけっこう感情で動くタイプで、何もしないっていう日があったり、楽しい時はずっと騒いだりするんですけど、TØMはそれをコントロールしてくれるというか、一歩退いたところで、全体を冷静に見ている。で、Lenはひたすらバカというか、野生ですね(笑)。
Len:ですね(笑)。
bibi:それがいいんですよ。相手が先輩でも全然物怖じせず、ぐいぐい行って、気づいたら仲良くなってるみたいなことがあるからありがたいです。
――バンドにそういう人は必要ですよね。
bibi:そうですね。だから、Lenが仲良くなった先輩と、ちゃんと話すのはTØMか俺かみたいな(笑)。
――でも、そういう後輩は先輩からきっと可愛がられると思うんですよ。
Len:気まずいって感覚は俺にはないですね。
bibi:ありがたい存在ですよ。
――WORSTRASHはLenさんとbibiさんのツインボーカルが際立っていると思うんですけど、いつからそういうスタイルになったんですか?
Len:昔の名残なんですよ。本当は、俺がピンボーカルで、bibiはベースのみの予定だったんですけど、さっきTØMも言ってたように俺があまりにもクリーンボーカルが歌えなくて。bibiはそんな俺よりも歌えたんですよ。当時17歳ぐらいで、27歳までには日本武道館に立ちたいという話をしょっちゅうしてたんですけど、そしたらbibiが「Lenがうまくなるまで待てない。いったん俺が歌う」って歌い始めたんです。
bibi:俺もそんなにうまくなかったけどね。
Len:今思えばね。それで役割分担したんです。bibiがクリーンで、俺がシャウトとラップっていうふうに。もちろん、最初は納得いってなくて、渋々預けてたんですけど、やっているうちに意外にこのスタイルいいかもって。bibiはけっこういい声してるし、それぞれのキャラに個性があるからツインボーカルでもいいなって思い始めて、今もその個性を活かしてやり続けてます。
『REDLINE』で得たきっかけーーJMSとのタッグで届けたい“バンドの深み”
――ところで、JMSとマネージメント契約を結んでから、知名度も上がり始めたとおっしゃっていましたけど、2024年12月に『REDLINE ALL THE FINAL』に出演したことをきっかけにバンドは大きなターニングポイントを迎えたんじゃないでしょうか?
bibi:そう思います。
――そもそも、なぜ『REDLINE ALL THE FINAL』のオープニングアクトオーディションに参加しようと思ったんですか?
Len:売れたかったからっていうただのそれだけの理由なんですけど、2人と俺の間で、はっきり分かれてるのが、俺は『REDLINE ALL THE FINAL』に出ていたバンドがルーツなんですよ。だから、そこに出られたら、夢が1つ叶うと思ってたんですけど、2人は幕張メッセっていう大舞台に日本を代表するバンドが集まるんだから、お客さんもたくさん来るに違いない。そのお客さんの前で自分たちの音楽を演奏したいという思いが大きかったと思います。そういうちょっとした違いはあるんですけど、『REDLINE ALL THE FINAL』に出られたら売れるよなっていう考えは3人共通してあったと思います。
――リリースに加え、自主イベントの開催など、DIYながら精力的に活動を続けてきたと思うのですが、さらなる飛躍のきっかけにしたかったという考えもあったんじゃないですか?
Len:それはもちろんです。『REDLINE ALL THE FINAL』に出演したバンドっていう話題性に加え、いろいろなバンドと絡んでツアーやフェスに呼んでもらえたら、その後の自分たちのキャリアに活かせるっていうのは考えてました。
bibi:その結果、TOTALFATのツアー(『FUTURES IN SILHOUETTE Tour 2025~2026』)に呼んでもらったりとか、逆に自分たちのツアー(『Kiss You Miss You Tour』)にEGG BRAINに出てもらったりとか、今後呼んでもらってるものもいくつかあるんですよ。だから、けっこう繋がりはできたっていうか、そもそもけっこう知っててもらえたみたいで。
Len:そうなんですよ。挨拶に行ったら、「知ってる」って言われることが多くて、えぇ、そんなことってあるんだって感動しました。
――JMSと組んだらどんなことができると期待していますか?
bibi:WORSTRASHはこれまでDIYでやってきたからこそ、イケてることしかできなかったというか、それこそ全国各地を地道に回るみたいな泥臭いツアーをやろうなんて発想がそもそもなかったんですよ。全部をかっこよく見せようとして、良くも悪くも、人間性や“何を伝えたいのか”みたいなことが全然伝えられてなかったと思うんです。でも、JMSと組ませてもらって、KTRさん(『REDLINE』も主催していたJMSの鈴木健太郎氏)といろいろ話した時、アーティストの魅力を引き出す力をすごい持っている人だなって思ったんです。だから、これまで届けることができなかった深みみたいなものを、JMSのノウハウとかアイデアを借りて伝えられたらいいなと思ってます。
――深みですか。
bibi:たぶん見え方としては、WORSTRASHってポッと出てきたチャラついた今風のバンドという印象だったと思うんですけど、JMSに所属しているバンドってみんな硬派じゃないですか。硬派というか、土台のあるバンドしかいない。自分たちもそこに入って、今回のツアーも含め、同じような経験を積ませてもらって、ちゃんとしたロックバンドになれたら、日本にはあまりいないような存在になれるんじゃないかって思ってて。もちろん、それには自分たちがまずそういうバンドにならなきゃいけないんですけど、そういう魅力を引き出して伝えることはJMSに任せて、自分たちはひたすらいい音楽を作っていったらいいんじゃないかって思ってます。