2025.12.27 21:00

『HAJIMARE Project』合宿2日目、3グループが掴んだ手応えと揺れ　パフォーマンス披露で浮かび上がる“差”と“課題”

　12月26日に配信された『HAJIMARE Project』#4では、合宿審査2日目の模様が描かれた。#3で突きつけられた厳しいフィードバックを受け、3グループがそれぞれ課題を自覚したうえで「どう立て直すか」に向き合っていく回だ。初日は“足りないもの”が露わになった一日だったが、2日目は逆に、チームが動き出す瞬間がいくつも映し出されていた。

　グループAでは、ダンスに苦手意識を抱える田上優海を、浅利海晶や白浜あやが自然に支えていく。できない部分を責めるのではなく、隣で合わせながら一緒に形にしていく空気が生まれており、合宿ならではの助け合いが見える時間だった。コレオグラファーのYuiも「めちゃめちゃ練習してきたのが伝わった」と評価し、前日の不安定さを引きずらず、行動で取り返そうとする姿勢が伝わってくる。一方で、ボイストレーニングでは安井泉妃が不安を抱えたまま挑んでおり、ボイストレーナーのなつきから「（不安を）無視しなさい」とストレートなアドバイスが送られる。気持ちの揺れを抱えつつも、やるべきことから逃げない。その覚悟が問われる場面だった。

　ダンスと歌を同時に組み立てていくレッスンでは、自信のなさから酒井唯菜が涙を流してしまう。だが、その涙が崩れで終わらなかったことが重要だ。誰かが落ちたときに周囲がどう声をかけ、どう立て直すのか。グループとしての温度が揃っていく過程が、合宿の核心として描かれていた。

　グループBは、前日「会話が少ない」と指摘されたことを受け、意識的にチーム感を作ろうとしていた。誰がリードするのか、どう声を掛け合うのかが整理され、まとまりは確実に増していく。ただ、順調に見える一方で、櫛橋成実が体調不良で参加できない時間があり、那須ほほみや針ヶ谷心らのメンタルも揺れる。合宿では、体力の消耗も、焦りや不安も一気に押し寄せる。まとまりを作ろうとするほど、個々の限界が表に出る瞬間もあるのだと感じさせられた。

　前回「若さゆえに緊張感が足りない」と指摘されたグループCは、振り入れを無事にクリアし、まずは大きな課題を越える。コレオグラファーのMANAは「レベルが高い」と評価したうえで、「ここからどれだけ上がっていくか期待している」と言葉を添えた。技術面でも変化が見え、初日に声が出切らなかった候補者が徐々に声量を取り戻していくなど、積み重ねが形になり始めている。1日目と比べると、ダンスの揃い方も段違いで、グループ全体の前進が分かりやすいチームだった。

　後半にはサプライズで、各グループが現時点のパフォーマンスを披露する展開に。3組を並べて見ることで、チームごとの現在地がよりはっきりする。中でも強く印象に残ったのはグループCだった。順番が来ると円陣を組み、アイドルらしいスタートを切ったかと思えば、そのまま堂々とパフォーマンスを貫く。講師陣から「ポテンシャルが高い」と言われてきたことを、映像として納得させる完成度で、現時点の総合力では一歩抜けて見えたのも事実だ。

　ただ、完成度が高いからこそ、個々の葛藤も見えやすい。中沢結乃は「ここに来てから自分を一回も出せてなくて」と言葉にし、白石るりも「遠慮せずに、グループを良くするために言っていこう」と前を向きながら、裏では大粒の涙を流していた。チームとして良くなっている実感があるからこそ、置いていかれたくない気持ちや、自分がどう貢献すべきかという不安も強くなる。合宿の成長は、単に上手くなることだけではなく、自分の弱さと向き合うことでもあると示す場面だった。

　また、最年少の針ヶ谷が涙ながらに語った「最年少だからといって全部支えられるというよりは、自分でちゃんと一歩進みたい」という言葉も胸に残る。年上の候補者たちと団体行動するだけでも大きな挑戦の中で、周りに頼りきりになるのではなく、自分の足でも一歩ずつ前に進もうとしていたのだ。SHELLYが「20代の子と団体行動するなんてすごいこと」と寄り添ったのも、彼女の状況を理解した上での言葉だっただろう。

　次回はいよいよ合宿3日目。中間発表と呼ばれる模擬発表が行われ、これも審査の対象となるため気が抜けない。3日目に入ると、グループAでは白浜が率先してまとめ、酒井がサポートする形でチームが整ってきた。グループBでも那須に笑顔が戻り、グループCも技術面に加えて、グループとしての完成度がさらに増していく兆しが見えている。初日の指摘を受け止め、2日目で動き出した3組が、中間発表でどんな姿を見せるのか。ここから合宿審査は、より濃いドラマを生んでいきそうだ。