Snow Man、多様な楽曲を“自分たちのもの”にできる理由 声質・表現力・個性……『音故知新』にどう集約される?
Snow Manが5thアルバム『音故知新』を11月5日にリリースすることが発表された。同作はさまざまな時代の音楽やカルチャーに触れながら、「もしSnow Manが歌ったら…」というテーマのもと、多種多様なジャンルの音楽をSnow Man流に表現した楽曲を収録しているという作品(※1)。バラエティ豊かな、Snow Manらしいエンターテインメントが楽しめる作品になっていそうだ。
とはいえ、そもそも振り返ってみるとSnow Manはすでに多種多様な楽曲を持っている。王道ダンスナンバーであるのデビュー曲「D.D.」や「Grandeur」、「EVOLUTION」、セクシーな大人の魅力を放つ「KISSIN' MY LIPS」、爽やかでフレッシュな「HELLO HELLO」や「オレンジkiss」、トンチキ系楽曲の「君の彼氏になりたい。」、「僕の彼女になってよ。」、「僕に大切にされてね。」の“君彼三部作”、青春系J-POPの「ナミダの海を越えて行け」や「8月の青」……など、挙げれば切りがないほどだ。これほど多様な楽曲を自分たちのものにできるのは、どんな理由があるのだろうか?
まず考えられるのは、メンバーの声質だろう。Snow Manには渡辺翔太のような伸びやかな正統派ボーカルもいれば、阿部亮平の心地よい低音ボイスと秀逸なハモリスキル、岩本照の唯一無二のラップなど、一聴しただけで誰が歌っているのかがわかるほど個性がある。9人それぞれ個性があるからこそ、バラードからラップ曲、王道のポップスまで自在に歌い分けることができるのだろう。
次に、身体能力と表現力の高さ。Snow Manと言えば、デビュー当初はダンスやアクロバットに強みを持つグループとして注目を集めており、複雑で難易度の高いダンスパフォーマンスもお手のものであった。もちろん今でも激しくダンスを踊る楽曲は大好評で、観る者を引き込むパフォーマンスを見せてくれる。一方で、しっとりとしたバラードになると一変。歌詞に込められた意味を表情や仕草で的確に表現するのだ。これは俳優や舞台など個々の活動で磨いてきた表現力や演技力が生きている証拠ではないだろうか。
そして、そもそもSnow Manというグループ自体が多様性を表していることも、楽曲の幅広さに繋がっているとも考えられる。「Snow Manらしい楽曲と言えば?」という問いを投げかければ、答えは十人十色になるはずだ。ダンスナンバーを思い浮かべる人もいれば、青春ソングやトンチキ曲を挙げる人もいるだろう。それは、彼ら自身が「どんな楽曲であってもSnow Manが歌えばSnow Manらしい曲になる」というスタンスを軸にして活動をしているからではないだろうか。さらに、歌声に限らず9人それぞれが明確な個性を持ち、それを活かした活動をしてきたことも理由になっていると言えるだろう。
そんなSnow Manが「多種多様なジャンルの音楽をSnow Man流に表現した」というコンセプトを掲げて制作した『音故知新』。これまでにない挑戦的なナンバーも収録されるのだろう。アルバムリリースはまだ先だが、彼らがどんな楽曲に出会い、どう自分たちの色に染め上げていくのか。その過程も含めて楽しみに待ちたい。
※1:https://mentrecording.jp/snowman/discography/detail.php?id=1021192