Snow Man『サマソニバンコク2025』現地レポ 9人でタイのステージに堂々帰還、5年越しの本格的なアジア展開へ

 8月23日・24日の2日間、タイ・バンコクにあるインパクト・ムアントーンターニー チャレンジャー・ホール1~3にて行われた『SUMMER SONIC BANGKOK 2025』(以下『サマソニバンコク』)の1日目にSnow Manが出演した。『サマソニバンコク』は、日本の大型音楽フェスの一つ『SUMMER SONIC』の海外版として2024年に初開催。二度目となる今年も、Creepy NutsやBABYMETAL、BE:FIRSTをはじめとする国内外で支持される日本のアーティストから、BUS because of you i shine(BUS)やジェフ・サターといったタイで勢いのあるアーティスト、さらには、BLACK EYED PEAS、21 SAVAGE、アリシア・キーズ、カミラ・カベロまで、『サマソニ』ブランドらしい各国の多種多様なポップアクトが集結した。

 Snow Manが音楽フェスに出演するのは今回が初。加えて、メンバーが揃ってタイを訪れ、パフォーマンスするのは『Japan Expo Thailand 2020』以来5年ぶりとなる。彼らの出演が追加発表された際には、アクセス集中でしばらくサイトが閲覧できなくなるほどの反響があった今回の『サマソニバンコク』。タイにルーツを持つ向井康二を筆頭に、デビュー時よりなにかと縁が続いてきた地への凱旋を見守ろうと日本からも多くのファンが会場へと足を運んだ。筆者も貴重な場面に立ち会えた一人として、当日の様子をここに記録したい。

 現地時間19時20分頃から出番を予告する「Snow Man」の文字がスクリーンに表示され始めると、悲鳴のような歓声が上がった。会場中央あたりのスタンディングエリアで待機していると、日本語のほか、タイ語や中国語と思われる会話が周囲から聞こえてきた。コロナ禍で開催こそ叶わなかったものの、デビュー当時からアジアツアーが計画されていた彼らだけに、この日を待ち侘びていたアジア各国のファンにとっても念願のステージだ。

 いよいよ出番を迎えると、ライブ映像を組み合わせた一人ひとりの紹介VTRののち、桜の花びらが舞う映像を背に赤の和傘を差した9人が横並びになって登場。1曲目を飾った「タペストリー」は、『Snow Man Dome Tour 2024 RAYS』でも評判だった和のテイストを際立たせた特別バージョンでの披露だ。また『Snow Man 1st DOME tour 2023 i DO ME』登場時に着用していたメンバーカラーのファーガウン、その中には『Snow Man 1st Stadium Live Snow World』で着用していた同じくメンバーカラーのスパンコールのセットアップを身につけるなど、数々のライブを彩ってきたアイドルとしての彼らの正装が、フェスのステージで一層目を引く。

 『Japan Expo Thailand 2020』が海外初披露の場であったデビュー曲「D.D.」では佐久間大介が軽やかなバク転を披露。岩本照振付曲の代表作「Crazy F-R-E-S-H Beat」のシンクロダンスで圧倒すると、グループ&メンバー紹介ソング「Nine Snow Flash」へ。9人の特徴を次々紹介し、愛称をコール&レスポンスするこの曲をフェス会場、さらには海外の環境でパフォーマンスし盛り上がりを生み出せるのは彼らならでは。デビューから5年、9つの個を磨き上げグループを大きくしてきたSnow Manを象徴する選曲だったと言える。

 合唱で会場が一つになったTikTokヒット曲「ブラザービート」、オリエンタルなムードを醸すファン人気の高いダンスナンバー「DA BOMB」の後は、ライブ定番曲「君の彼氏になりたい。」をパフォーマンス。甘いフレーズを放つパートをライブごとにアレンジして楽しむこの曲を、今回はメンバー全員がタイ語でチャレンジして会場を沸かせる。先述の「Nine Snow Flash」での決め台詞やMCも含め、単語ベースであっても現地の言葉を使いながら観客と積極的にコミュニケーションを計ろうとする姿が印象的だった。

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