奥田民生、桜井和寿、aiko、10 FEET TAKUMA……『スカパラ甲子園』開催直前、コラボの軌跡を振り返る
11月16日に兵庫県・阪神甲子園球場にて『35th Anniversary Live スカパラ甲子園 supported by ネイチャーラボ』が開催される。
デビュー35周年目に突入した東京スカパラダイスオーケストラは、スカバンドとして日本音楽シーンにおいて確固たる地位を築き上げた唯一無二の存在だ。インストを基調としたバンドでありながら、2001年以降はゲストボーカリストを招くことで“歌モノ”バンドとしても躍進。音源、ライブを問わずジャンルレスに様々なアーティストとコラボレーションを重ねてきたスカパラの歴史は、ゲストボーカリストとともに重ねてきた歴史とも言えるだろう。
そんなスカパラの集大成となる『スカパラ甲子園』には豪華なゲストボーカリストが集結。本稿では『スカパラ甲子園』に出演するゲストアーティストを紹介しつつ、各ゲストアーティストとスカパラのこれまでの歩みを紹介する。
今年1月に第1弾ゲストとして解禁された奥田民生は、2002年に「美しく燃える森」で初めてスカパラとコラボレーションを果たした。この「美しく燃える森」を含む3部作でスカパラのゲストボーカルを招いての“歌モノ”路線は始まったとされており、現在に至るスカパラの歴史の始まりに立つ存在のひとりが奥田なのだ。
そんな奥田はスカパラにとってほかのどんなアーティストよりも強く濃い関係性を持つアーティストであり、盟友と呼ぶにふさわしい存在でもある。それを証明するかのように「美しく燃える森」以来8年ぶりにリリースした2回目のコラボ楽曲「流星とバラード」や、コロナ禍真っ只中の2020年にスカパラが東京で唯一開催した有観客ライブ『Great Conjunction 2020』でのゲスト出演、『The Covers 東京スカパラダイスオーケストラ デビュー30周年スペシャル』(NHK BSプレミアム)への出演など枚挙に暇がない。スカパラの歴史を振り返る上での最重要アーティストのひとりは奥田民生と言っても過言ではないだろう。
奥田とともに発表となったゲストアーティストは、ロックバンド・10-FEETのTAKUMA(Vo/Gt)。スカパラがデビュー25周年に挑んだ“バンドコラボ3部作”の第1弾として10-FEETを迎えて「閃光 feat.10-FEET」を制作。ベーシストでありプロデューサーとしても活躍する亀田誠治によるプロデュースによって制作された本楽曲はスカパラメンバー9人と10-FEETの3人による一発録りされたもの。総勢12人というスリリングなレコーディングの中で生まれた「閃光 feat.10-FEET」は、スカパラらしい跳ねるホーンと10-FEETの肉体的なバンドアンサンブルが見事に調和した1曲となった。
以来、楽曲制作やステージといった様々な場面で共演を重ねてきたスカパラと10-FEET。今年5月にはスカパラデビュー35周年キックオフのコラボとして「風に戦ぐブルーズ feat.TAKUMA (10-FEET)」をリリース。本楽曲のリリースに際して公開されたメッセージには、10-FEETが主催するロックフェス『京都大作戦2013』においてTAKUMAがスカパラメンバーに向けて「いつか兄さんたちと同じスーツを着て一緒にステージに立ちたいです!」(※1)と伝えたことが記されている。スカパラにとって奥田が盟友であるとするならば、10-FEET、そしてTAKUMAはかわい後輩のような存在なのかもしれない。