櫻坂46、「I want tomorrow to come」MVで描かれる“孤独” 挑戦的な映像表現はグループの新基軸に

 櫻坂46が10月23日にリリースする10thシングル『I want tomorrow to come』より表題曲のMVが公開された。前作の9thシングル『自業自得』に引き続きセンターを務める山下瞳月をはじめ、初のフロントメンバーとなった的野美青や初選抜となった向井純葉など、三期生の飛躍も著しい今回のシングルとなっている。櫻坂46の公式X(旧Twitter)にて公開されたティザー映像ではメンバーによるフォーメーションダンスが映し出されており、前作同様にダンス曲としての期待も高まっていた。

 楽曲を聴いてBuddies(櫻坂46ファンの呼称)はすぐに気づいたかもしれないが、本作で作曲を担当しているのは、5thシングル『桜月』、6thシングル『Start over!』、8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』といった表題曲を数多く手がけているナスカ。これまでリリースしてきた曲とも異なる「I want tomorrow to come」のシアトリカルな怒涛のメロディからは、櫻坂46の新たな扉を開いてくれる予感がする。

 お馴染みの作家陣に加えて、今回新たに櫻坂46のMVを手がけているのが中村浩紀だ。2007年から映像演出として、MVや企業CMなどを中心に様々な作品を手がける中村監督は、これまでに「MTV AWARD」や「SPACE SHOWER AWARD」、「日本の映像作家100人」に選ばれるなど、その映像クオリティが高く評価されてきた。MVではゲスの極み乙女「ロマンスがありあまる」、KANA-BOONの「Torch of Liberty」、04 Limited Sazabysの「JUST」といった作品を手がける一方で、SoftBank「5G MIMO」やAdobe「illustrator」などの企業CMも制作。これらの作品群のなかでも注目すべきポイントは、Apple × SAISON Card「Apple Pay」で東池袋52「わたしセゾン」のダンスを映像表現に落とし込んでいること、そしてゲキ×シネ映画『狐晴明九尾狩』で群像の演舞を生き生きと映し出している点だ。現実と虚構の間をリアリティをもって描く加藤ヒデジンや様々なユーモアな仕掛けを施しながら挑戦的な映像表現を志向する池田一真というお馴染みの作家陣と明確に異なるのは、“集団”というものの映し方にあるだろう。

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