富田鈴花&髙橋未来虹、変わっていく日向坂46を牽引する想い 一人ひとりがグループの顔となる大切さ

 “ゆかりの地”宮崎県での大規模ライブ『ひなたフェス2024』を成功させた日向坂46から、12thシングル『絶対的第六感』が届けられた。インパクトの強いタイトルに惹かれる表題曲は、クールかつ清涼感溢れるメロディに乗せて“運命の瞬間”を歌い上げる1曲で、自然体なメンバーの表情から一体感抜群のパフォーマンスまでを収めたMVも公開時から話題になっている。新たな形式でのライブや『日向坂46時間TV』といった節目となるイベントを経てグループとしてさらに成長している彼女たちだが、そんな変化を象徴する『絶対的第六感』に対してどんな手応えを感じているのだろうか。二期生・富田鈴花、三期生・髙橋未来虹の2人に話を聞いた。(編集部)

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『ひなたフェス2024』へと繋がる様々なチャレンジ

──4月に行った『5回目のひな誕祭』以降、ひなた坂46としての単独公演や『TOKYO IDOL FESTIVAL 2024』(以下、『TIF』)での三期生ライブ、日本武道館で開催された四期生ライブとグループとして新しい形のライブがいろいろ続いています。ライブに関して今までと違った見せ方ができるようになってきているんじゃないでしょうか?

髙橋未来虹(以下、髙橋):四期生の『新参者(in TOKYU KABUKICHO TOWER)』みたいな期別ライブを除けば、ひなた坂46のライブって(グループ名が)日向坂46になって初めての全員で出演しないライブだったと思っていて。

富田鈴花(以下、富田):うん、そうだと思う。

髙橋:12人で2時間半のライブを務めなきゃいけないっていうのはプレッシャーが大きかったし、特に私はセンターだったから立場的にもみんなを代表して言葉を言わなきゃいけなくて。いつもなら先輩方がやってくださっていたことを、ひらがな(ひなた坂46)のライブで身に染みて感じました。そういう大変なことをたくさん経験しながら、もっと任せていただけるように強くなりたい、グループを引っ張っていけるぐらい大きくなりたいと考えた期間でした。

──実際、三期生の皆さんは『5回目のひな誕祭』も4人だけでMCをしていましたし、だんだんそういうことが板についてきている印象があります。

髙橋:嬉しいです。4人っていう少ない人数だと、それがゆえにできないこともあったりするじゃないですか。でも、4人でいろんな気持ちを共有してきて感じることなんですけど、任せていただいた場を大切にしたい、期待以上を届けたいってそれぞれが思っている子たちなので、一人ひとりの責任感は年々強まっているのかなと感じています。

──そんな三期生が『TIF』で、今度は4人だけでライブを成立させた。ものすごい成長だと思いますよ。

髙橋:ありがとうございます。ちょうどこのお話が決まる前から、「ライブはもちろんだけど、4人だけで何かできる場がほしい」ってことを自分たちからスタッフさんにお話しする機会があったので、いろんな方のお力添えがあって実現したことが第一に嬉しかったですし、何よりみんな「ここで終わりたくない」と思っていたので。全体のライブとかで気合いを入れるのはもちろんですけど、一人ひとりにより責任がのしかかってくる期別ライブでは一層気を引き締めて、グループを背負っている自覚を持って臨みました。

──4人だけでライブを成立させるという点では、緊張もあった?

髙橋:リハーサルのときはいつもの和やかな感じだったんですけど、いざ当日になるといくら確認しても不安になってしまって。そこはお互いに鼓舞し合いながら、なんとか乗り切りました。

──(取材時点で)富田さんは四期生ライブを観覧済みで、髙橋さんはこれからご覧になるそうですね。

髙橋:そうなんです。すでにライブを観たというほかのメンバーから噂は耳にしているので、楽しみなんですよ。

富田:すごく楽しかったです(笑)。四期生のステージを客観的に観たとき、まず最初に日向坂46の曲ってすごくいいな、素敵な曲だなっていうことを再認識できましたし、「この曲って客席から観たらこんな感じに映るんだ」っていう視点も勉強になりました。

髙橋:私は『新参者』を観たときに、楽曲の良さももちろんなんですけど、「四期生のこの子はこの楽曲をこう解釈して、こういう表情で歌うんだ」っていう自分の理想とするパフォーマンス像がそれぞれにあるのかなって感じて。そこが私はすごく興味深くて、いつも四期生のみんなに勉強させてもらってます。

富田鈴花

──そのほか、『日向坂46時間TV』(6月21〜23日に生配信された『ひなたフェス開催決定記念!日向坂46時間TV〜全国おひさま化計画〜』)という新たな挑戦もありました。

富田:もう2カ月以上経ったのかな。すでに懐かしいよね。

髙橋:私、今までの活動の中で一番キツかったです(苦笑)。

富田:確かにそうかも。私も3日間、映っていないところでもメイクをしたり打ち合わせしたりと常にバタバタしていたし。でも「ここを乗り越えたら未来は明るい!」と思って、メンバーやスタッフさんの顔を見て頑張りました。

髙橋:私は今まで、結構体力があるって自負していたんですけど……。

富田:わかるわかる! やる前は「全部出ます!」ぐらいに思ってたよね(笑)。

髙橋:そうなんですよ。そんな自分でも、「これはちょっと苦しいかも?」と思ってしまって……。集中力が途切れて「ちょっと今、大丈夫かな?」って感じることもありましたし、メンバーの体調とか心配になることもあったんですけど、それでも頑張るメンバーやスタッフさんの顔を見て「まだいける!」って自分を奮い立たせていたところもあります。

日向坂46「ひなリハ」~絶対的第六感~ in 「ひなたフェス2024」

──すべて9月7日、8日に宮崎で開催される『ひなたフェス2024』を成功させるために動いていたと思います(取材は開催前)。特にここ数カ月は、いろんな活動が全部そこにつながっていったわけですものね。このインタビューが公開される頃には、すでにフェスが終了している頃ですが……。

富田:どうなっているんでしょうね?

髙橋:私、『ひなたフェス』開催が発表された『5回目のひな誕祭』のときは、まだ宮崎に行ったことがなかったんですよ。でも、(今では)『46時間TV』のお仕事で2回行かせていただいていて。短い時間ではあったんですけど、そこで宮崎の魅力や地元の皆さんの温かさ、食とか自然の豊かさを知れたので、フェス当日がより楽しみになりましたし、もっと宮崎のことを知りたいっていう気持ちが高まっているところです。

富田:私は『ひなたフェス』の宣伝も兼ねて、森本茉莉と一緒に熊本へロケに行ったんですよ。地元のお店などで宣伝ポスターを貼らせていただきたくて、一軒一軒、自分たちで交渉したんですけど、首都圏ではない宮崎に人を集めることってこんなに大変なんだなって改めて実感しました。日向坂46のことを知らない方もまだまだたくさんいらっしゃいますし、そういう意味でも『ひなたフェス』のような環境をいただけることは本当にありがたくて。

髙橋未来虹

──全国放送の音楽番組やバラエティ番組を除けば、日向坂46のレギュラー番組って放送地区が限られていますし。

富田:そうなんですよね。私たちの冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)は関東ローカルで、今年の1月から宮崎でも観られるようになったんですけど、例えばメンバーが全国放送のバラエティ番組に出ることになると、その1人の活躍が全国の皆さんに知っていただけるチャンスになるので、そういう一つひとつの場もグループの名を広めるにあたって大事なんだっていうことを改めて感じます。

ダブルセンターならではの絶妙なバランス感覚

──ここからは12thシングルについてお話を聞いていきます。表題曲の「絶対的第六感」はタイトルのインパクトが強くて、どんな曲なのか聴く前からイマジネーションが掻き立てられます。

富田:私たちも最初にこのタイトルを受け取ったとき、「どんな曲調なんだろう?」ってワクワクしましたから。

髙橋:勝手なイメージなんですけど、今回は四期生の2人(正源司陽子、藤嶌果歩)がダブルセンターなので、前作の「君はハニーデュー」に続いてフレッシュで、明るくポップな曲調が来るのかなと想像していたんです。でも、実際の曲調はカッコいい感じで、振り付けもバキバキに踊るタイプなので、意外性がありました。きっとこの曲がダブルセンターの2人の……もちろんどのメンバーもそうなんですけど、みんなの新たな面を引き出してくれる楽曲になるんじゃないかな。

富田:そうだね。シングル表題曲でのダブルセンターはこれが初めてなんですけど、最初はセンターが2人になることでいろんなバランスが分散しないのかなっていう疑問があったんです。これがちょっとでも崩れちゃったりすると「この人の見え方のほうが強いな」とかアンバランスさを感じちゃうと思うんですけど、2人の相性がとってもいいのもあって、全体的に絶妙なバランス感で成り立っていて。そういうシンメとかコンビが出来上がることってグループにとっても大きな財産だと思うんです。例えば、“としきょん”(加藤史帆&齊藤京子)とか“きくとし”(佐々木久美&加藤)みたいな関係って作ろうと思ってできるものじゃないし、運命のような出会いがあってこそ。そういうバランスがすごくいいダブルセンターだなって、一緒に踊りながら感じました。

──髙橋さんがおっしゃるように、その細かな動き含めてダンスの激しさに驚かされます。

富田:今回は練習段階からめちゃめちゃ踊りました。

髙橋:ハウスダンスっていうジャンルに初めて挑戦したんですけど、そのステップの基礎練習を何時間もやれたのが個人的にはすごく楽しくて。活動を何年か続けてきたこのタイミングだからこそ、そうやって時間をかけてダンスを習得するってことが、私的には嬉しかったです。

富田:私は今回フォーメーションの下手側で、久美さんと(松田)好花、史帆さんとめいめい(東村芽依)さんが近くにいて。私の好きなダンスをするメンバーが集まっているので、そのメンバーの踊りを見て「もっとこうしたほうがカッコいいな」とかいろいろ吸収できるなと思いながら踊っています。あと、「君はハニーデュー」もそうだったんですけど、よく見てみると下手側と上手側で雰囲気がちょっと違うので、そこは注目していただきたくて。

髙橋:私は正直、上手・下手でのダンスの違いには気づいてなかったんですけど、下手側がすごく汗かいてるなとは思ってました(笑)。

富田:確かに(笑)!

髙橋:私はポジション的に目の前が金村美玖さんで。自分との共通点としてはダンスに対するモチベーションが高いってことだと思いますし、私も金村さんのダンスが好きなので「こういうダンス綺麗だな」とか「ここはもうちょっとこうしたら素敵になるかな」とか、すごく刺激になるんです。しかも、隣が初選抜入りした四期生の小西(夏菜実)で、ちょっと苦戦している場面を目にしたことがあって。私は言葉で何か伝えるのが得意じゃないので、ダンスで何か伝わるものがあったらいいなと思って、なるべく早く覚えて彼女の横で綺麗に踊れるようにしようという心がけで臨んでいました。

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