世界のTikTokトレンドに呼応した「MILLION DOLLAR BABY」のランクインや、JO1の人気と映画の注目度の高さが反映された「surge (single edit)」のランクインのような、これまでも見られたヒットの法則とは一線を画すのが、2位にランクインしたSAHAJi「Future In The Sky」である。サンスクリット語のバンド名や英詞の楽曲から、一見すると海外のバンドであると思ってしまうが、実は富山県出身の兄弟ロックバンドである彼ら。SAHAJiが今回注目されるきっかけとなったのが、「Future In The Sky」の全英チャートへのランクインである。これまで多くのロックアーティストを生み出してきたイギリスだけあって、ロックに対する国内のリスナーの耳は肥えているなか、この全英チャートへのランクインは意味深い。しかも、「Future In The Sky」の音像はまさにUKロックのそれなのだ。OasisからThe Beatlesにまで通じるUKロックのエッセンスがつまった同楽曲。全英チャートインの一報を耳にした時は、日本人が奏でるUKロックソングが本場イギリスで広く受け入れられることを不思議に感じたものの、実際に「Future In The Sky」を聴き込んでみるとそんな気持ちも吹き飛んでしまう。

　さらに驚かされるのは、兄の西田蕉太郎（Vo/Gt）が14歳の時に書いたというこの楽曲に込められた希望に満ちたメッセージの豊かさや、ロックバラードとしての壮大なサウンドスケープはもちろん、そのサウンドが紛うことなきUKロックサウンドであることだ。それもそのはずで、この楽曲をプロデュースしたのは、Oasisの楽曲も手がけたニック・ブライン。UKロックのオマージュではなく、本物のUKロックを形にしたのがSAHAJiなのだ。国境を超えて人々の心をロックする「Future In The Sky」。生粋のUKロックファンこそ、この楽曲を聴いてほしい。

※：https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2024-05-15