SGが2024年に掲げる“一創全魂” かっこいいものをより鋭く体現・表現できる人を目指して
オーソドックスを自分で作るという気持ち
――では、ここからは今回の新曲について深く聞いていこうと思います。まず、「Palette」の次に曲を出そうとなった時に、この曲に行き着いた経緯について教えてください。
SG:このタイミングでこれを出す理由としては、シンプルにみんなに驚いてほしかったっていうところはありますね。「こんな楽曲を歌うんだ」っていう。これからのSGが作っていく世界観、音楽観を楽しんでもらうために、まずはこの曲をティーザーとして先出ししたっていう感じ。ビート自体はワルツなんですけど、僕の中ではロックやソウルの要素が全部折り重なっている感じで。
――しかも終盤には、まるでロックオペラのような展開が用意されていますし、途中では、ヒップホップホップの要素も入っています。サビの一巡目で、エモーションの雪崩や洪水を思わせるような鮮烈なエレクトロサウンドが入り、かと思いきや、いきなりバチッと制御されて止まって。J-POPのシーンでは、なかなか触れることのない音の鋭さ、重厚さを感じました。
SG:僕も「メジャーでこれ出す?」っていう思いもあったんですけど、だからこそ面白いなと思うんですよね。はじめこそ、みんなが理解しがたいと思うような斬新な表現に聴こえるかもしれませんが、一方で僕は、この曲はしっかりキャッチーなものに仕上がったと思っています。単にアバンギャルドにするのではなく、絶対的な大衆に向けて表現をしていく、つまりポップを目指すということは、僕の表現のど真ん中にある軸なので、今回もそのバランスにこだわってアレンジを詰めていきました。
――別の驚きで言うと、1曲の中に、日本語、英語、韓国語という3つの言語が使われています。日本語をベースとした曲に英語に混ぜることはJ-POPの中ですごく多いと思いますが、今回はその上にさらに韓国語も入っていて、しかもそれがラップ詞であるという驚きがあります。
SG:今おっしゃったように、J-POPに英語が入るのはオーソドックスだと思うんですけど、「じゃあ韓国語が入るのもオーソドックスになっていくんでしょう?」「そのオーソドックスの基本を自分が作ればいいじゃん」っていう感じで。そんなに深い意味はなく、結構シンプルな発想ですね。僕も英語が入っている日本の曲をいっぱい聴くんですけど、そこまで歌詞の意味を知らなくても、音として楽しいんですよ。しかも今は、日本でこれだけK-POPが聴かれていて、この流れだったら今回やろうとしたことも全然可能だろうと。
――しかも今回は、日本語バージョン(ラップ詞のみ韓国語)と韓国語バージョン(ラップ詞のみ日本語)の2パターンが制作されていますね。
SG:これも本当にシンプルな理由で、自分ってそうだよなって思って。日本人であり、韓国人でもあるということを、なぜこれまで表現してこなかったんだろうと。今後も自分が「これはいいな」と思ったものに関しては、韓国語バージョンも出していこうかなと思っています。
――「2つ出します」というよりも、「2つあるのが当たり前」っていう感覚に近いと。
SG:そうですね。K-POPの曲の日本語バージョンがあるのに、なんでJ-POPの韓国語バージョンはないんだ? っていうだけの話で。自分はその両方ができるんだからやってみようっていう。
日本語バージョンと韓国語バージョンで変えている歌詞のニュアンス
――歌詞についても聞かせてください。今回の曲は、愛は呪いのようなものである、という深遠なテーマが歌われています。ラブソング、失恋ソングとしての側面もありつつ、何かとても大きなものを喪失した時の感情を描いたような、とても普遍性の高い曲としても捉えられる奥行きがあると感じました。
SG:「Palette」は、これからの人生をこう描いていくっていう、自分の人生観の表明だったと思うんですけど、この曲に関してはこれまでの人生を通して考えてきた愛を表現しているという感じですかね。
世の中には恋愛の幸せな一面を歌ったラブソングって多いと思うんですけど、個人的にはそれは一時のものでしかなくて、より深いところにいけばいくほど、それはもう呪いでしかないなと。人間っていうものは他人に迷惑をかけながら生きている、なんてことをすごく思っていて。良い意味でも悪い意味でも、愛というものは実際のところ迷惑なものでしかないというか。お互いが愛し合っている時はそうは思わないとしても、いつかお別れする時が来るかもしれない、僕は、その時の痛みや悲しみをどうしても考えてしまうんですよね。だからこそ、愛のポジティブな面だけを見るんじゃなくて、その裏側の深い部分をしっかり表現したい。ただ、よく考えてみたら、めっちゃエグい歌詞ですよね。「SG、病んでるの?」って言われるかもしれないけど、全然そんなことないんで(笑)。
――ポジティブな歌詞ではもちろんないですが、だからといってネガティブ一辺倒でもないという、その中立的な温度感がすごく素敵だと思いました。
SG:それは嬉しいですね。それこそ、全てのネガティブは韓国語のラップパートに詰めてるんですよ。〈Killer〉という英語も交えていますが、結構エグいことをラップしてるんです。一方、韓国語バージョンのラップパートの日本語詞は、そういう感じじゃないんですよ。
――ニュアンスや物の見方の角度が少し異なる感じですね。
SG:だとしても辻褄が合うようにはしています。
――同じ曲に2つのバージョンがあることの面白さが伝わってきます。3月には東阪でのライブ『Rebuild 7 Colors』が控えていますが、この曲と共に幕を開ける2024年がとても楽しみです。
SG:それこそ2024年からは、冒頭で言ったように「一創全魂」していきたいと思っていますし、自分が作っていくかっこいいもの、みんなで作っていくかっこいいものを、もっとより鋭く体現・表現できるような人間になろうって思ってます。次のライブでは、自分の中で心から納得いくような姿でみんなにもう1回会いたいなって思っているので、マジで楽しみにしてもらいたいです。
※1:https://realsound.jp/2023/11/post-1487725.html
■リリース情報
SG「Curse of Love」
2月7日(水)リリース
https://lnk.to/sg-curseoflove
M1. Curse of Love
M2. Curse of Love (Korean Ver.)
■SG info
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