Ado、すとぷりら『紅白歌合戦』の演出はどうなる? “顔出ししない”アーティストへの過去の対応

 大晦日の風物詩である『NHK紅白歌合戦』。今年も出場者が発表となり、1年の終わりの近づきをヒシヒシと感じている。

 今年は紅組・白組合わせて13組のアーティストが初出場。anoや新しい学校のリーダーズといったフレッシュなアーティストから、10-FEETやMrs. GREEN APPLE、MAN WITH A MISSIONといったロックフェスではメインステージに登場するバンド勢、さらには伊藤蘭や大泉洋といった長年芸能界で活躍してきたアーティストの初出場も話題だ。そんな中、とりわけ出場者発表で話題を呼んだのがAdoやすとぷりといった顔出しをしないアーティストたちの出場だ。

 『紅白歌合戦』にはこれまでも顔出しをせずに活動するアーティストが出場している。本稿ではそれらについて振り返りつつ、今年出場するアーティストならではの演出を予想してみたい。

 近年の顔出ししないアーティストの出場で思い浮かぶのはGReeeeNだ。メンバー全員が歯科医師であるGReeeeNは、歯科医師とアーティストを両立するために活動開始から一貫して容姿を隠している。そんなGReeeeNは2020年末の『第71回 NHK紅白歌合戦』の特別枠で出場し、「星影のエール」と「キセキ」を歌唱。AR(拡張現実)技術を用いて、CGで制作されたメンバーの姿がNHKホールのステージに登場したことで大きな話題を呼んだ。顔まで精巧に制作されており、これが本当の姿なのかと議論を呼んだことも印象的だ。

 このようなAR技術を活用した演出は、今年初出場となるエンターテインメントグループ・すとぷりでも活かされるかもしれない。すとぷりはライブでは顔出ししているものの、メディア出演の際には各メンバーの姿をイラストによるアバターで表現。今回出場歌手発表会見で上映されたコメント映像でもモーションキャプチャーを活用したアバターで登場した。『紅白』本番も最新技術を活用したステージになりそうだ。

 すとぷりが顔を出さずにメディアに出演しているのは、彼らがネット発のグループであることがひとつの理由だろう。現在25歳から30歳までのメンバーが所属しているすとぷりは、言わばデジタルネイティブ世代。学生時代からインターネットやパソコンに触れながら育ってきた世代であり、ネットに顔を出して活動する危険性を考えていること、また彼らの活動の拠点であるネットシーンでは顔出ししない文化が浸透していることなどから現在のような形になっている。

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